この記事では、「会計上」と「税務上」の違いを分かりやすく説明していきます。
「会計上」とは?
「会計上」は、会社の利益(もしくは損益)の計算に使われる表現で、売上げ総額(収益)より、それに掛かった各種の経費(費用)を引いたものがそれになります。
ですが、この「利益」がそのまま課税対象になる訳ではなく、そちらは「所得」が対象になります。
「利益」と「所得」は、一見では同じように見えますが、「会計上」では経費(費用)とできる対象でも、以下の紹介する「税務上」ではそれだと認められないものがあります。
「税務上」とは?
「税務上」の計算は、税金を支払う元になる「所得」の算出の為に行われるものです。
その所得は、「利益」では経費にできた対象の中から、こちらではそうとは認められないものを引いて計算されます。
よって、「利益」より、課税対象になる「所得」の方が多くなることがほとんどで、その原因の多くは、「交際費」の扱いからきています。
税法上の規定では、それには経費として計上できる上限があります。
よって、200万円のそれを「会計上」で計上していても、「税務上」で計上できるのは150万円(一例です)ということがある為です。
「会計上」と「税務上」の違い
「会計上」と「税務上」の違いを、分かりやすく解説します。
このように、「会計上」で求められる「利益」と、「税務上」の「所得」は、同じにはならないことがあると覚えておいてください。
その原因には、先に挙げた「交際費」の他に、「減価償却費」も挙げられます。
「税務上」で決められているそれと、実際の使用状況を反映した「会計上」のそれが一緒だとは限らない為で、例えば、10万円以上のパソコンは、3年間での均等償却が「税務上」のルールになりますが、実際には3年で買い換えるということはあまりない為、そこでも差が生じるという訳です。
まとめ
「会計上」と「税務上」は、このような違いになります。
小さな商店の場合には、「税務上」の「所得」をそのまま「利益」とすることもありますが、それなりの規模の企業となると、「会計上」のそれとは分けていると考えていいでしょう。