この記事では、「裁判官」と「裁判員」の違いを分かりやすく説明していきます。
「裁判官」とは?
「裁判官」とは、最高裁判所、高等裁判所、地方裁判所、家庭裁判所、簡易裁判所で、法律上の争訟を審理、事実認定して法律を適用する国家公務員のことを言います。
簡単に言えば裁判で判決を下す仕事をしているということになりますが、仕事内容は裁判だけと決まっているわけではありません。
調停事件も「裁判官」が担当しています。
「裁判官」になるには司法試験に合格しなければなりません。
受験資格としては、法科大学院過程を修了するか、司法試験予備試験に合格していることが必要となります。
また「裁判官」として一人前になるには10年ほどかかると言われています。
「裁判員」とは?
「裁判員」とは、裁判員制度において、選ばれた国民のことを言います。
裁判員制度は平成21年5月21日から始まっています。
つまりそれ以前は「裁判員」という存在はなかったということでもあります。
「裁判員」は立候補ではなく、選挙権を持っている人の中からくじで選んで名簿が作られます。
そして名簿に登録された人たちにそのことを通知するのですが、この段階で「裁判員」として決定するというわけではありません。
どうしても引き受けることができない事情があれば、辞退できる場合もあります。
その後、事件があるごとに名簿の中からくじで候補者が選ばれ「裁判員」として裁判に参加することとなるわけです。
「裁判官」と「裁判員」の違い
「裁判官」と「裁判員」の違いを、分かりやすく解説します。
「裁判官」とは、裁判所で働く国家公務員ということになります。
誰でも簡単になれる職業ではなく、日本において最難関の国家試験である、司法試験に合格しなければなりません。
司法試験とは、裁判官、検察、弁護士と法曹三者になる為の試験のことです。
人が人を裁くわけですから、簡単な試験でいいわけはありません。
「裁判官」としてキャリアをスタートさせてからも一人前と言われるまでは10年かかるというのも納得できることです。
一方「裁判員」は、選挙権を有している国民の中から、くじで選ばれた人です。
「裁判員」は刑事事件に対して「裁判官」と一緒に判決に加わります。
すべての裁判に加わるわけではなく、地方裁判所で行われる刑事事件のみです。
つまり、刑事事件であっても控訴審、上告審は対象から外れます。
また離婚裁判などの民事事件、少年審判なども対象ではありません。
ごく簡単に違いを覚えるならば「裁判官は司法試験に合格した国家公務員で、裁判、調停を担当する」「裁判員は選挙権を有する国民からくじで選ばれた一般人、地方裁判所で行われる刑事事件の判決に加わる」ということになります。
まとめ
いかかがでしたでしょうか。
「裁判官」と「裁判員」の違いを理解できたでしょうか。
「裁判員」とは、選挙権を持っている国民ならば、誰でも選ばれる可能性があるわけです。
現在は「裁判員」が判決に加わることは、地方裁判所で行われる裁判に限定されていますが、責任は重大と言えるでしょう。