この記事では、「返還」と「返済」の違いを分かりやすく説明していきます。
「返還」とは?
「返還」とは、対象を元の持ち主に戻すという意味の言葉です。
「中止になったコンサートのチケット代金は、返還されるようだ」と使われると、行われたなかったコンサートのチケット代金は、支払った人に戻ると言っていることになります。
金銭的なものだけでなく、物や土地といった存在にも用いることができ、「北方領土の返還は、いつ実現するのだろう」などと、大きな対象にも使われます。
「返済」とは?
「返済」とは、金銭的な借用分を返す行為です。
「借金の返済が大変だ」、「ローンの返済が滞っている」のような使われ方になり、直接現金を借りた場合だけでなく、返すべきお金がある時に用いる表現です。
支払うべきという解釈ではなく、ローン行為も含めて、借りていることが条件になる言葉です。
よって、「家賃の返済」といった使い方はせず、そういった対象では「家賃の支払い」のように「支払い」とするのが正しい表現なので注意してください。
「返還」と「返済」の違い
「返還」と「返済」の違いを、分かりやすく解説します。
「返還」は、元の持ち主に返すという行為に広く使われる言葉です。
ただし、ちょっと借りているだけという対象に使うと仰々しくなってしまうので、そのような場合には「返却」とした方がいいでしょう。
例えば、「借りた本を返却する」という使い方がいい例になります。
「返済」は、金銭的に借りている分を返す場合に使われます。
「返還」も、先のような「コンサートのチケット代金は~」といった使い方ができますが、そちらは「戻る」ことが表され、この「返済」は、「返す」ことの表現になるという違いがあります。
まとめ
「返還」と「返済」は、このように違います。
「返済」は、借りている(という扱いになる)金銭に対してのみ使われる表現だと覚えておいてください。