「電子記録債権」と「ファクタリング」の違いとは?分かりやすく解釈

「電子記録債権」と「ファクタリング」の違い言葉・カタカナ語・言語

この記事では、「電子記録債権」「ファクタリング」の違いを分かりやすく説明していきます。

「電子記録債権」とは?

「電子記録債権」とは?

「電子記録債権」とは、従来の約束手形(小切手)などの債権を電子化したものです。

専門の記録機関がその内容を管理しており、この「電子記録債権」の方は、受け取れる権利のあるもので、支払うべき義務のある方は「電子記録債務」と呼ばれます。

約束手形などの紙媒体でのやりとりではなく、電子上でそれが行われるもので、両者がこの使用に合意して、初めて利用できるものです。

その合意のある両者間で、A社がB社に対する300万円の売掛金を「電子記録債権」として記録機関に報告すると、それがB社に「電子記録債務」として記録機関から伝えられます。

B社からA社への債務の返済は直接行われ、それが完了したとA社が記録機関に連絡することで、その記録が抹消されるという流れになります。

約束手形などの発行が不要な為、デジタル時代の債権だと言えるシステムで、以下で説明する「ファクタリング」にもよく利用されています。

「ファクタリング」とは?

「ファクタリング」とは?

「ファクタリング」とは、売掛金を買い取ってもらうことの表現です。

売掛金は立派な債権の1つなので、自由に売買や譲渡が可能です。

例えば、300万円のそれがあるものの、支払われるのが1ヶ月後で、それまでにどうしてもお金が必要になってしまった場合にこの「ファクタリング」でその売掛金を買い取ってもらい、即時に現金にしてもらうといった利用になります。

ファクタリング業者が行っているサービスになり、支払われるまでの期日や債権の安定度(債務側の信頼度)、業種などによって割引率が上下します。

あくまで一例ですが、300万円の債権だったとすると、1~2割程度がファクタリング業者の利益分として引かれ、250万円くらいでの買取になるといった具合です。

額面通りに受け取るよりも損になりますが、支払期日までの運転資金としてどうしても必要な場合などに利用されており、「電子記録債権」にも対応しています。

「電子記録債権」と「ファクタリング」の違い

「電子記録債権」と「ファクタリング」の違い

「電子記録債権」「ファクタリング」の違いを、分かりやすく解説します。

「電子記録債権」は、電子化された債権のことで、「ファクタリング」は、その債権の買取を行ったもらうことです。

「ファクタリング」は、従来の紙媒体の約束手形でも利用でき、債権の割引買取サービスになります。

しかし、全ての債権を買い取ってもらえるとは限らず、特に債務側が上場企業でない場合には、割引率が上がってしまう傾向にあります(信頼度として、どうしても劣る為です)。

まとめ

まとめ

「電子記録債権」「ファクタリング」は、このような違いになります。

「ファクタリング」は、その為の約束手形の発行(受け取れる金額より大きな金額での手形を発行する)という形でも行えますが、そのような利用はあまり推奨されません。