「有利」と「優位」は類似した意味を持つ言葉です。
「有利」という表現は「相手よりも有利な状況になる」といった文章で使い、「優位」という表現も「相手よりも優位な立場に立つ」といった文章で使われますが、「有利」と「優位」の意味の違いはどこにあるのでしょうか?
「有利」の意味や使い方
「有利」という表現の意味は、「利益があること」や「利益を望めること(利益を期待できること)」を意味しています。
また「有利」という表現には、「他の人(他のもの・事例)よりも条件・状態が良い」といった意味合いもあります。
「有利」の表現の使い方は、「他の人物や状況と比較した場合に利益があったり利益を期待できたりする場合」に使うという使い方になります。
また、「他の人物・事例(ケース)よりも状況・条件が良くて益が多そうな場合」にも使われます。
例えば、「有利な状況になる」や「有利なビジネスをする」といった文章で使えます。
「優位」の意味や使い方
「優位」という表現の意味は、「他の人・ものよりも地位・位置づけが上位であること、優っている(まさっている)こと」を意味しています。
「優位」とは、「他と比べた時に、地位・位置・情勢が上位であり優れていること、その様子」を意味する表現なのです。
「優位」の表現の使い方は、「他の人物・ものと比べた場合に、地位・位置が上である時」に使うという使い方になります。
例えば、「いつまでも優位にいるとうぬぼれていると、足元をすくわれます」などの例文で使えます。
「有利」と「優位」の違い
「有利」の表現は「利益があったり利益を期待できること」や「他と比べて条件・状況が良くて益が得やすいこと」を意味しています。
それに対して、「優位」の表現は「有利」の「利益がある・条件が良い」という意味ではなく、「他よりも地位・位置づけが優っていて上にいる」という意味のニュアンスが強いという違いがあるのです。
そのため、「優位に立つ」とは言えても「有利に立つ」とは通常言いません。
「有利」を使った例文と意味を解釈
「有利」を使った例文を紹介して、その意味を解釈します。
「有利」を使った例文
「戦闘が自軍に有利に展開していて、勝利に近づいています」
この「有利」を使った例文は、「有利」という表現を、「戦闘が自軍にとって良い状態・条件で展開している」といった意味合いで使っています。
「優位」を使った例文と意味を解釈
「優位」を使った例文を紹介して、その意味を解釈します。
「優位」を使った例文
「ライバルよりもずっと優位でしたが、最近はその差がだいぶ縮まってきました」
この「優位」を使った例文は、「優位」という表現を、「ライバルよりもずっと地位・位置づけが優っていたが」という意味を持つ文脈で使用しています。
まとめ
「有利」と「優位」の意味の違いについて解説してきましたが、「有利」の表現には「利益があること・条件や状態が良いこと」に意味の重点があります。
それに対して、「優位」の表現には「他と比べて地位・位置づけがまさっていること」に意味の重点があります。
「有利」と「優位」の意味の違いを正しく理解して、内容や文脈(文の流れ)に応じて適切に使い分けるようにしましょう。