この記事では、「共依存」と「相互依存」の違いを分かりやすく説明していきます。
「共依存」とは?
依存症の一つです。
特定の関係に依存することで、自己の存在価値を見出そうとする人のことを指しています。
アルコール依存症の家族は、アルコール依存症患者に振り回されている被害者だといえます。
一方で、アルコール患者に依存してもらうことで、自己の価値を見出しているものも中にはいます。
アルコール依存症の患者は飲酒量を自らコントロールすることができず、飲み過ぎて嘔吐、震え、動機、頭痛などの症状が出ることがあります。
重症になると幻覚や幻聴が起こることもあります。
家族はこういった症状の手当てをすることでしょう。
患者の世話をすることで「自分は必要とされている」と感じることができます。
飲んで欲しくないのなら、アルコールを購入する費用を渡さなければよいのです。
しかし、「共依存」になっている場合、アルコール購入のための費用を渡してしまうことがあります。
そのため、アルコール依存症者は、なかなか依存症から抜け出すことができません。
周囲のものがアルコール依存症から抜け出せないようにし、アルコール依存症の患者の世話を継続しようとするのです。
これは、意識的に行っていることもあれば、無意識に行っていることもあります。
こうして、互いに依存する関係となっていきます。
この他にも、DVを受けていてもそれに耐え続けて相手に依存する、などの関係もあります。
「共依存」の使い方
互いに依存する関係を指して使用します。
依存症の患者の周囲にいる人が、このような状態になりやすい傾向があります。
「相互依存」とは?
国家間の関係を表している言葉です。
物や情報が国境を超えて互いに依存しあう過程をいいます。
今日、経済活動や政治などは、さまざまな国とのやり取りによって成り立っています。
日本の場合は食料の大部分を輸入に頼っており、外国とのやり取りをしなければ、成り立たないような状態になっています。
これは、日本が外国に依存している状態といえるかもしれません。
「相互依存」は一方が依存している関係ではなく、互いに依存しあう関係になっていることを意味しています。
「相互依存」の使い方
国家間の関係を指して使用します。
「共依存」と「相互依存」の違い
どちらも「依存」にかかわる言葉ですが、どういった関係なのかという点に違いがあります。
前者の言葉は、依存症患者に必要とされることで自己価値を見出す人のことを指しています。
お互いが依存している関係です。
後者の言葉は、国同士の関係を指しています。
「共依存」の例文
・『共依存から抜け出したい』
・『共依存だと指摘された』
・『共依存に陥っていた』
「相互依存」の例文
・『相互依存が強い』
・『相互依存があることを認めた』
・『相互依存によって成り立っている』
まとめ
どちらも「依存」という言葉が使用されていますが、同じ意味なのではありません。