製菓用のチーズとしておなじみの「クリームチーズ」と「マスカルポーネ」はよく似ていますが、どこが違うのでしょう。
この記事では、「クリームチーズ」と「マスカルポーネ」の違いを分かりやすく説明していきます。
「クリームチーズ」とは?
「クリームチーズ」は、熟成させずに作った白くてなめらかなチーズです。
チーズにはプロセスチーズやカマンベールなどさまざまな種類がありますが、一般には牛やヤギの生乳に乳酸菌や酵素を加えて凝固させ、ホエイと呼ばれる水分を取り除いてから、さらに発酵・熟成させて作られます。
ただし、チーズの一種には熟成させない「フレッシュタイプ」もあります。
その一つが「クリームチーズ」です。
特徴は、熟成させたチーズよりも色が白くて柔らかく、チーズ特有のクセや匂いの少ないところです。
ほど良い酸味があり、脂肪が多く含まれているので乳製品らしいコクも楽しめます。
用途は、スライスしてナッツやドライフルーツと一緒に食べたり、パン、クラッカーなどに塗って食べたりするほか、料理の付け合わせ、お菓子の材料に使うことができます。
特にチーズケーキ作りには欠かせません。
製品として販売を始めたのは米国の食品メーカーですが、フランスのヌシャテルチーズがヒントになっているといわれます。
なお「クリームチーズ」は、フランス語で「フロマージュ・ア・ラ・クレーム」とも呼ばれます。
「マスカルポーネ」とは?
「マスカルポーネ」は、イタリア原産の白いクリーム状のチーズです。
「クリームチーズ」と同じフレッシュタイプで、水分が多くて柔らかく生クリームのようにもったりとしています。
特徴は、チーズのクセや匂いが少なく酸味と塩分は控えめ、脂肪分が多く後味はほんのりと生乳の味がするところです。
軽い食感があり、生クリームのようにさまざまなお菓子作りに使ったり、ディップソース、パスタソース作りなどに広く使えます。
特にイタリアのデザート「ティラミス」に使われるチーズとして知られます。
「マスカルポーネ」という名前の語源については、イタリア北部の言葉「マスケルパ」(牛乳のクリーム)が「マスカルポーネ」になったという説と、スペインの総督が食べて絶賛した時に発した言葉が語源になったという説があります。
「クリームチーズ」と「マスカルポーネ」の違い
「クリームチーズ」と「マスカルポーネ」の違いを、分かりやすく解説します。
「クリームチーズ」と「マスカルポーネ」はどちらも熟成させずに作るフレッシュタイプのチーズで、白くて食感はなめらか、チーズ特有のクセや匂いが少ないという特徴があります。
「クリームチーズ」と「マスカルポーネ」の特徴を比べると、「クリームチーズ」のほうが水分が少なくて硬く、「マスカルポーネ」は生クリームのように柔らかくフレッシュな生乳の甘味も感じられるところが異なります。
「クリームチーズ」は、アメリカの食品メーカーが製品として販売を始めたもの、「マスカルポーネ」はイタリア原産という違いもあります。
お菓子作りをする人なら「クリームチーズ」はチーズケーキ用、「マスカルポーネ」はティラミス用という覚え方をしていることも多いでしょう。
なお、スーパーでは「マスカルポーネ」が見つかりにくい場合もあり、入手できない時に「クリームチーズ」が代用されることも少なくありません。
ただ、水分量が異なるため、お菓子の仕上がりには若干の差が出るようです。
まとめ
「クリームチーズ」と「マスカルポーネ」は似ていますが同じものではありません。
原産国、チーズの硬さや風味、用途が異なることを覚えておきましょう。