この記事では、「青天の霹靂」と「寝耳に水」の違いを分かりやすく説明していきます。
「青天の霹靂」とは?
「青天の霹靂」【せいてんのへきれき】とは、前触れなく事態が大きく変動すること、突然の知らせを受けて衝撃が走ることです。
これは中国の故事成語で、詩人の陸游がうたった詩の中にある「青天に霹靂をとばす」のくだりが語源になっているといわれます。
「青天」とは晴れた青い空、「霹靂」は激しい雷鳴を意味します。
「青天の霹靂」が表しているのは、おだやかに晴れた空に突然雷鳴がとどろく光景です。
故事成語の「青天の霹靂」は予想していない出来事が突発的に起こり、人々を驚かせる状況を表しています。
実際にはあり得ない気象ですが、それだけ驚きが大きいことを表しているわけです。
驚くような知らせが急に届いた時、予想に反する結果が出た時、突発的に起きた気候の変動や大事件などに対し「青天の霹靂」を使うことができます。
ニュアンスの近い言葉には「降って湧く」や「番狂わせ」などがあります。
「降って湧く」は突然に物事が起こること、「番狂わせ」は予測と違う展開になることを表しますが、「青天の霹靂」に比べ、驚きや衝撃はそれほど大きくはありません。
「青天の霹靂」の例文
・『あの元気な叔父が急に亡くなったことは、まさに青天の霹靂だった』
・『まさかドラマのヒロインが犯人だったなんて、まるで青天の霹靂のような結末だな』
「寝耳に水」とは?
「寝耳に水」【ねみみにみず】とは、まったく予測していなかった知らせに驚くこと、突然に知らせを受けて驚くことです。
これは「寝耳に水の入るごとし」を語源とすることわざで、寝ている間、耳に突然水が入ってきたかのような驚きを表しています。
無防備な状態で耳に水が入ってきたら、誰でも驚いて思わず飛び起きます。
「寝耳に水」はこのように、心の準備ができていないのに知らせが突然舞い込み、慌て驚いているさまを表しているのです。
急に驚くような知らせが届くことのほか、予測していなかった出来事が起こったときにも「寝耳に水」を使って例えます。
類語は「青天の霹靂」「藪から棒」【やぶからぼう】です。
急に物事が起きて驚くという意味を持つところが「寝耳に水」と共通しています。
「寝耳に水」の例文
・『今日の授業で急にテストするなんて、寝耳に水だよ!』
・『ライブの特別ゲストでまさかあの大物歌手が出て来るなんて、寝耳に水の出来事だったよ』
「青天の霹靂」と「寝耳に水」の違い
「青天の霹靂」と「寝耳に水」の違いを、分かりやすく解説します。
「青天の霹靂」は、前触れなく驚くような出来事が起こることです。
「寝耳に水」は、突然の知らせや出来事に慌て驚くことです。
両者は類語の関係にあり「突然起こった出来事にたいへん驚く」という意味で、ほとんど同じニュアンスを持っています。
違いは「寝耳に水」が知らせを聞いて驚く場面で使われることが多いのに対し、「青天の霹靂」はどちらかというと世の中で起きる大きな変動や衝撃的なニュースに対して使われがちな点です。
耳に入ってきた水よりも激しい雷鳴のほうが、出くわした時の衝撃は大きいです。
寝耳に水が入ってきてもたいへん驚きますが「青天の霹靂」のほうが衝撃はより大きいものとなるでしょう。
まとめ
「青天の霹靂」と「寝耳に水」は、突然の出来事に驚くことを表し、ほとんど同じ意味で使うことができます。
ただしニュアンスは微妙に違うので、場面に合わせて細かく使い分けることが大切です。
「青天」は「晴天」と間違えないようにしましょう。