この記事では、「拙作」と「駄作」の違いを分かりやすく説明していきます。
「拙作」とは?
「拙作」には2つの意味があります。
一つは、できあがりの状態がよくない作品です。
作品とは製作されたもののことで、とくに芸術作品についていいます。
たとえば、文学、絵画、陶芸などです。
よくないとはどのような状態なのか、明確な定義はありません。
人によって感じ方はさまざまなので、ある人にとってはよいと感じられても、ある人にとってはよくないと感じられることがあります。
そのため「拙作」とは具体的にどのような形なのか、明確にすることはできません。
もう一つの意味は、自分の作品を控えめにしていう語です。
日本人は自分のことを素晴らしいと人に示すことを、あまりよいとしない傾向があります。
自分を控えて、相手を立てるのです。
作品についてもいえ、自分の作品に対して控えめな態度をとります。
「自分はなんてダメなんだ」という考えではなく、相手を敬う気持ちからの行為です。
「拙作」の使い方
自分の作品を控えめにしていう語として使うことが多いです。
自分の作品を自分で紹介するときに使われています。
「駄作」とは?
できあがりの状態がよくない作品、取り上げるだけの価値がない作品のことです。
作品についていう言葉です。
たとえば、文学、絵画、映画などです。
映画でいうと、C級作品と呼ばれるものがこれに当たります。
どういったものがC級なのか明確な定義はありませんが、面白くないもの、見るに堪えないものがこう呼ばれています。
小説の場合だと、読むに堪えないものをいいます。
ベストセラーにはならないようなものです。
「駄作」の使い方
できあがりがよくない作品について使用します。
取るに足りない、価値がないものなどをいいます。
自分で自分の作品についていうこともあれば、他人がある人の作品についていうこともあります。
料理も作品といえますが、このようなものに使うことはあまりありません。
「拙作」と「駄作」の違い
どちらの言葉にも、できがよくない作品という意味があります。
後者の言葉は、価値がないほどという意味も含まれています。
前者の言葉は、自分の作品を控えめにいう語の意味もあります。
ダメなわけではありません。
この意味は、もう一方の言葉にはありません。
「拙作」の例文
・『拙作をテレビで紹介する』
・『拙作ですが、よかったら読んでください』
・『拙作から感じとるものがあれば嬉しいです』
・『拙作の名を出していただき、光栄です』
「駄作」の例文
・『駄作だといわれている』
・『駄作だから見なくていい』
・『駄作だとけなされた』
・『駄作ばかりを見ている』
まとめ
出来栄えについては、どちらの言葉も同じようなことを指しています。
「拙作」には自分の作品をへりくだっていう語の意味もあり、この点が「駄作」と異なります。
「駄作」はへりくだっていう語ではありません。