この記事では、「個人事業主」と「法人」の違いを分かりやすく説明していきます。
「個人事業主」とは?
「個人事業主」【こじんじぎょうぬし】とは、税務署に「開業届」を出し、独立した事業をおこなっている人のことです。
会社などの「法人」を設立せず、組織との雇用契約も結ばずに収入を得る事業主を指します。
日本では「個人事業主」の開業について、法令による制限がそれほど厳しくなく、個人で「事業所得」や「雑所得」が得られれば「個人事業主」を名乗ることができます。
事業所得がある場合は、開業届の提出が必要です。
職種は第一次産業から第三次産業まで多種多様で、一例に農業、芸術家、代理店、下請業、タレントやスポーツ選手などが挙げられます。
1人または家族経営のように数人で事業をおこなっているケースが多く、収入が不安定、社長業から雑務まですべてこなさなければならない、「法人」に比べ事業者として社会的な信頼が低い、といったデメリットがあります。
似た言葉に「フリーランス」「自営業」もありますが、「フリーランス」はその都度契約を結んで技能を提供する自由業で、「自営業」は「法人」も含むところが「個人事業主」と異なっています。
「法人」とは?
「法人」【ほうじん】とは、法律によって人と同じ権利や義務が認められた、社会的活動を営む集団のことです。
「株式会社」「合同会社」「NPO法人」などの種類があります。
「法人」という言葉自体は、「法」によって「人」と同等の権利や義務が認められた「法人格」を持つ組織という意味を持ちます。
日本では「会社法」「一般法人法」などによって法人格の認められた組織が「法人」として組織の名義で事業を運営し、収益を得ることができるようになります。
「法人」に債務が生じた場合は、代表者の社長個人に債務を負う義務はなく、組織が「法人」として返済していかなければなりません。
「法人」には、一定の目的を持って社員で構成される「社団」と、一定の目的を持って用意した財産の運用をおこなう「財団」があります。
経済を動かす主体となっているのは「株式会社」などの「営利法人」です。
営利法人は営利を目的とする社団ですが、全ての「法人」が営利を目的に事業をおこなっているわけではなく、公益事業や非営利で社会貢献活動をおこなうNPO法人など、さまざまな団体が存在します。
「個人事業主」と「法人」の違い
「個人事業主」と「法人」の違いを、分かりやすく解説します。
「個人事業主」は独立して個人で収入を得ている「法人」ではない事業主、一般に税務署に「開業届」を提出して開業している事業主を指します。
「法人」は、人と同等の権利や義務を持つ「法人格」が認められた組織、「法人」名義で社会的活動を営む組織を指します。
株式会社やNPO法人などが代表的です。
「個人事業主」と「法人」の違いは多々ありますが、「個人事業主」は資金がなくても開業できるのに対し「法人」はある程度の資金がなければ設立できないところが異なります。
また、所得にかかる税金は個人事業主だと「所得税」が、「法人」だと「法人税」を支払うよう義務づけられているところも違います。
そのほか「個人事業主」は「法人」に比べ、社会保険料の負担が大きい、福利厚生がない、社会的な信頼が低くなりやすいといった弱みがあります。
まとめ
「個人事業主」と「法人」はひとことで言うと「法人」として設立しているか、していないか、が違う事業者といえます。
開業する際にはじゅうぶんな知識が求められるので、興味のある方は法律や手続きをしっかり調べておくとよいでしょう。