この記事では、「聡明」 と「賢明」の違いを分かりやすく説明していきます。
「聡明」とは?
「聡明」【そうめい】は、物事の理解が早くてかしこいことです。
これは四字熟語の「聡明叡智」【そうめいえいち】から「聡明」と「叡智」が独立して使われるようになった言葉だといわれます。
「聡明叡智」は古代中国の経典「易経」に記載され、成人の4つの徳を表したものです。
「聡」は耳がよく聞こえること、「明」は目がよく見えることを指しており、この2つが組み合わされた「聡明」は見聞きして理解する力、判断する力が優れていることを表しています。
かしこさを形容する言葉はほかにも存在しますが、その中で「聡明」は、特にもの分かりが良くてしっかりしている様子を表しています。
また「聡」と「明」がまわりをよく見渡せることを意味していることから、「聡明」は「頭がきれるしっかり者で、まわりに気を配れる人格も備わっている」といったニュアンスで使われるようになっています。
「聡明」の例文
・『彼女は聡明で美しくて、まさに理想的な女性だ』
・『彼は子どもの頃から聡明で、成績もずば抜けて優秀だった』
「賢明」とは?
「賢明」【けんめい】とは、知性があり物事を的確に判断する力や徳が備わっていることです。
漢字の「賢」は才能や知恵が優れていること、徳のあることを意味し、「明」は判断する力に優れているという意味を持っています。
この2つの漢字が組み合わされた「賢明」は、才知と徳があること、判断が正しく道理にかなっていることを表す言葉になっているのです。
「賢明」は、人柄について理性と知性があり確実なさまを表現するほか、判断や手段の選び方が適切なことを示すときにも使うことができます。
かしこさを表す類語には「明晰」【めいせき】や「英明」【えいめい】もありますが「賢明」は「判断が手堅くて確実」という意味合いの強いところが、これらと異なっています。
「賢明」の例文
・『賢明な人は、大きな失敗をすることが少ないだろう』
・『雷が鳴っているから、今は出かけないほうが賢明だ』
「聡明」 と「賢明」の違い
「聡明」 と「賢明」の違いを、分かりやすく解説します。
どちらもかしこさを表す言葉ですが、その質や使われ方が少し異なります。
「聡明」はもの分かりがよくて頭がきれ、人柄も優れているさまです。
「賢明」は知性や理性によって確実な判断をすることを意味します。
「聡明」は魅力的な人物を評価するほめ言葉です。
「賢明」もよい意味合いを持ちますが、道理を重んじて融通がきかない印象も含みます。
また「賢明」は「手堅く間違いのない判断」という意味合いで使われる点でも「聡明」との違いがみられます。
まとめ
「聡明」と「賢明」は、判断力が優れていることを意味する「明」が付き、互いによく似た意味を持っています。
どちらもかしこさを表す言葉ですが、ニュアンスは異なります。
人をほめるときに使うよい言葉なので、正しい意味を理解したうえで上手に取り込んでいきましょう。