この記事では、「倍率」と「競争率」の違いを分かりやすく説明していきます。
「倍率」とは?
「倍率(ばいりつ)」とは、「入試・資格試験などの志願者の何人に一人が合格するのかの目安となる指標」を意味しています。
例えば、「倍率5倍」であれば志願者の5人に1人が合格し、「倍率10倍」であれば志願者の10人に1人が合格することを示しています。
大学入試・国家試験などの合格しやすさの目安になる「倍率」は、大きく「志願倍率」と「実質倍率」に分類されます。
「志願倍率」とは、試験の願書を出した志願者数を合格者数(応募者数)で割った倍率です。
「実質倍率」は、実際に試験を受けた志願者数を合格者数(応募者数)で割った倍率で、こちらのほうが実際の競争環境の倍率に近くなります。
「競争率」とは?
「競争率(きょうそうりつ)」とは、「入試・入社・資格取得など他者と競争する状況における倍率」を意味しています。
「競争率」という言葉は、「みんなが合格することのできない競争をする試験・面接などにおいて、何人に1人が合格するのかを示している指標」になっています。
「競争率が高い・競争率が低い」という言い回しが慣用句のように使われていますが、「競争率が高いほど競争に敗れて不合格・不適格になる人が多いこと」を示唆していることになります。
ただし「競争率」の多くは、「近しい実力・レベルの人同士の競争環境における倍率」になっています。
そのため、「大学入試・資格試験などの真の難易度」を知ろうとすれば、「偏差値」も合わせて考慮に入れる必要があります。
「倍率」と「競争率」の違い
「倍率」と「競争率」の違いを、分かりやすく解説します。
「倍率」と「競争率」はどちらも、「高校や大学の入試・資格試験の難易度を示すものさしとしての数字」という意味では同じになります。
「倍率」と「競争率」は実質的に同義語として使用されていますが、「倍率」は「何人に1人がパスするのかの客観的な数値」、「競争率」は「競争している人たちの何人に1人が合格するのかの目的的な数値」のニュアンスがある違いはあります。
また「倍率」には「競争率」にない、「ルーペ(拡大鏡)あるいはカメラの望遠レンズなどが、対象物を何倍まで拡大して見ることができるのかの数字」の意味合いもあります。
「倍率」の例文
・『一流私大には国立大よりも倍率の高い学校が多くありますが、学科試験以外の試験方法も多いので学力だけの競争ではありません。』
・『一眼レフカメラに装着する解像度と倍率の高い望遠レンズは非常に高額なので、取り扱いには細心の注意を払っています。』
「競争率」の例文
・『医師国家試験は受験者の大半が合格するので競争率そのものは低いのですが、試験を受ける医学生たちの平均的な学力・知的水準がとても高いのです。』
・『競争率の高いIT系のグローバル企業に就職したいと考えていますが、入社試験の準備で何をすれば良いのかが分かりにくいのです。』
まとめ
この記事では、「倍率」と「競争率」の意味の違いを説明して、例文を紹介しましたがいかがでしたか。
「倍率」と「競争率」の意味の違いを詳しくリサーチしたい人は、この記事の解説をチェックしてみてください。