この記事では、「比率」と「比例」の違いを分かりやすく説明していきます。
「比率」とは?
「比率(ひりつ)」とは、「二つ以上の対象物の数量・金額・大きさなどを比べたときの割合」を意味しています。
「比率」という言葉は、「1:9の比率で清涼飲料水の原液と水を混ぜ合わせてください」のような文章で使うことができます。
「比率」というのは、「あるものの数・量・金額に対して、他のものの数・量・金額がどれくらいの割合を占めているのかを表す算数・数学の用語」なのです。
「比率」は具体的には、「40%や90%などのパーセンテージ(%)・5割や8割などの割合・3:1などの比」で表現されることが多くなっています。
「比例」とは?
「比例(ひれい)」とは、「相互に関連しながら変化する二つの物事・数量の関係」を意味しています。
「比例」というのは、「一方の数字が増えていくのに合わせて、他方の数字も同じ割合で増えていく正比例の関係」を示している算数・数学の用語です。
「比例」している“x”と“y”という二つの変数の関係は、「y=cx (cは0ではない定数)」の関数で表現することが可能です。
「比例」という言葉は、「類似した特徴を持つ例を上げて比べる」や「複数の変数の比が相互に等しい」といった意味も持っています。
「比例」の対義語は、一方が増えると他方が減るという関係を示す「反比例」になります。
さらに「比例」には、「二つの物事がある場合に、一方が増減すると他方も増減するといった関係」という意味合いもあります。
「比率」と「比例」の違い
「比率」と「比例」の違いを、分かりやすく解説します。
「比率」の言葉はシンプルに、「二つの対象(物事)の数量的な割合」を意味しています。
「比例」には「ある二つの変数の比率と他の二つの変数の比率が同じである」の意味はありますが、「複数の物事の数量的な割合」といった「比率」の意味は持っていません。
「比例」とは「a:b=e:f」の関係を示していますが、「比率」は「a:bあるいはe:f」の「割合そのもの」を示している点が異なります。
「比例」の一般的な意味は「一方の変数が2倍・3倍になれば、他方の変数も2倍・3倍になるという関係(z=axのようなzとxの関係)」になりますが、「比率」にはそういった「比例」の意味がない違いを指摘できます。
「比率」の例文
・『調味料をどういった比率で混ぜ合わせれば良いのか分からなかったので、適当に混ぜたらひどい味付けになってしまいました。』
・『医学部では以前から男女の学生数の比率が極端に男性に偏っていることが問題視されていましたが、近年は女子の合格率が急速に上がってきています。』
「比例」の例文
・『比例や反比例を算数の授業で習ったときに、二つの現象の相互的で規則的な関係性のあり方に驚かされたのです。』
・『社会的な地位・財産と人間性が必ずしも比例しないことは、政治家や企業経営者の不祥事からも明らかでしょう。』
まとめ
この記事では、「比率」と「比例」の意味の違いを丁寧に説明して、例文を紹介しましたがいかがでしたか。
「比率」と「比例」の意味の違いを詳しく知りたい人は、この記事の解説をチェックしてみてください。