「エゴイズム」と「エゴイスト」、このふたつの言葉は字面も似ていて、意味も似たような意味に感じる方が多いでしょう。
なんとなくニュアンスの違いを知っていても、はっきりとした違いを知っている方はそう多くはいないと思います。
それではこの記事では、「エゴイズム」と「エゴイスト」の違いについて、わかりやすく説明していきたいと思います。
「エゴイズム」の意味とは?
「エゴイズム」とは、自分の利益だけを重視している考え方や、利己主義のことをいいます。
自己中心的に自分の利益だけを考え、他人の利益はまったく考えていない思考や行動のことをいいます。
また哲学における「エゴイズム」は、確実に存在しているのは自我だけであり、他のものは一切認識不能であるという説のことをあらわします。
そして、「エゴイズム」というのは「自我」をあらわす「エゴ」と「主張」をあらわす「イズム」をあわせて「エゴイズム」というように成り立っています。
「エゴイスト」の意味とは?
「エゴイスト」とは、利己的な人や利己主義者のことをいいます。
「エゴイズム」を信奉している人、つまり自己中心的で自分自身の利益しか考えておらず他人の利益などはまったく考えていない考え方や行動を取る人のことをいいます。
自分自身に利益さえあれば、他人がどんな不利益を被っていようともまったく相手のことを考えない、ということです。
「自我」をあらわす「エゴ」と、「?の人」をあらわす「イスト」をあわせて「エゴイスト」という成り立ちになっています。
「エゴイズム」と「エゴイスト」の違いについて
「エゴイズム」と「エゴイスト」は、とても似た意味を持っている言葉でした。
では、どのような点が違っているのかを、ふたつの言葉を比べながら詳しく解説していきたいと思います。
まず「エゴイズム」は、「自己中心的で自分自身の利益しか考えていない、他人の利益についてはまったく考えていない」といった「考え方」や「行動」をあらわします。
対する「エゴイスト」は、意味しているものは同じですが、対象が「人」となっています。
つまり、「エゴイズム」の考え方を持ってそのような行動をしている人のことを「エゴイスト」と呼ぶのです。
ですので、違う意味の言葉というよりは、同じ意味の言葉ですが対象が違う、といったほうがよいでしょう。
「エゴイズム」を使った例文を紹介
・『彼女は彼女自身も気づいていないうちに、かなりのエゴイズムを持っていたのだろう。何の悪気もなく自分の利益だけが出るように行動し、他人が不利益で困っていてもまったく心が動いていないようだ。』
「エゴイスト」を使った例文を紹介
・『僕の彼女は、付き合いを始めた当初はただただわがままなだけだと思っていたが、今となってはエゴイストなだけだ。』
まとめ
いかがでしたでしょうか。
「エゴイズム」と「エゴイスト」は、意味は同じですがその対象が「か考え」や「行動」なのか、「そういった考えや行動をする人」なのかという点が違っていました。
それでは、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
