この記事では、「故意」と「作為」の違いを分かりやすく説明していきます。
「故意」とは?
「故意」は(こい)と読み、わざとすること。
また、その気持ちを意味します。
故意と間違いやすい言葉に、「恣意」(しい)があります。
「恣意」は 気ままで自分勝手なさまを言います。
「恣意」という熟語の成り立ちは、「欲しいまま、気まま」を意味する「恣」と「思いや考え」を意味する「意」から、 「勝手気ままな考え」を意味します。
前の漢字が後の漢字を修飾する形で構成されている熟語です。
「恣意」の例文:「恣意的に判断する」
「恣意」がその場の「思いつき」によって、物事を行うことを指すのに対して、「故意」は目的や理由はないものの、「わざと」物事を行うこと言います。
「故意的」という表現は、「意識的」に近い表現です。
「意識的」は「自分でわかっていて、わざとする」という意味です。
また、「故意」とは法律上の用語でもあります。
「罪と知りながらも行う」という意味になります。
ここから、「故意」というと、法律上の意味でない場合もネガティブ表現の一つです。
「故意」の反対語は「過失」(かしつ)です。
「過失」は「不注意によって起こしてしまった過ち」という意味です。
・「故意」の例文
例文1:故意に殺人を犯す。
例文2:産まれたばかりの赤ん坊を故意に取りちがえた。
「作為」とは?
「作為」は(さくい)と読み、人が自分の意志で作り出すことを言います。
また、 事実であるかのように故意に手を加えること。
つくりごとを言います。
作為と似ている言葉に、意図(いと)があります。
「意図」は、はっきりした目的や狙いがあって、わざと物事を行うことを言います。
意図は、いい意味でも使われます。
例文:彼女は私の意図を理解してくれた。
それに対して、「作為」は基本的に悪い意味で使われます。
法律でも「作為」は人の積極的な行為を表しまし、人を殺すなどの意味でも使われます。
「作為」の反対語は「不作為」(ふさくい)といい、法律で、あえて積極的な行為をしないことを言います。
・「作為」の例文
例文1「この文章には、作為の跡がみられる」
例文2「データに作為して数値を変える」
「故意」と「作為」の違い
「故意」と「作為」の違いを、分かりやすく解説します。
故意:「特にはっきりした目的や理由がなく、わざと物事を行うこと」
作為:「何か企みや目的があって、わざと物事を行うこと」(悪い企みに使用)
という意味があります。
「故意」には、明確な理由がないのに対して、「作為」には、企みがあってわざと物事を行うことに使います。
またその不自然さが目立つことで使われます。
「故意」も「作為」もネガティブなイメージを持つ熟語です。
まとめ
今回は「故意」と「作為」の違いを、説明しました。
故意:「特にはっきりした目的や理由はないものの、わざと物事を行うこと」
作為:「何か企みや目的があって、わざと物事を行うこと」(悪い企みに使用)
「故意」は目的の明確さがなく、わざと物事を行う。
「作為」は企みがあって行うことおを意味します。
2つの意味の違いを知って、豊かなコミニュケーションを目指しましょう。