この記事では、「生育」と「成育」の違いを分かりやすく説明していきます。
「生育」とは?
生まれ育つと書いて、「生育」。
その漢字の意味通り、生まれ育つことを意味し、その中でも植物が育つ、植物を育てる、といった意味が「生育」にあります。
植物の生長、つまり、植物が育ち大きくなることを意味するものの、「生育」の場合、動物に対しても用いることは可能です。
「生育」は、「育成」や「養成」、「培養」、「生産」などと言い換えることができます。
「生育」の使い方
「生育」は、「生育する」や「生育した」といったような使い方のほか、「生育の過程」や「生育状況」、「生育状態」、「生育環境」、「生育期」などといった言葉もあります。
「成育」とは?
成長することを意味する「成育」。
動物などが育ち成熟することといった意味もあります。
「成育」の場合、人間や動物が育つことを意味する言葉で、人間や動物のみの成長に用いられるといった特徴があり、植物に対して「成育」を用いることはありません。
「成育」は、「成長」や「発達」、「完熟」、「生まれ育つ」などと言い換えることができます。
「成育」の使い方
「成育」は、「成育する」や「成育した」といったような使い方のほか、「成育の過程」、「成育状況」、「成育状態」、「成育環境」、「成育促進」などといった言葉もあります。
「生育」と「成育」の違い
同じ育つ、大きくなる、といった意味を持つ「生育」と「成育」は、対象とするものに大きな違いがあります。
「生育」が対象とするものは、植物。
植物が育つ際に「生育」を使用します。
それに対し、「成育」が対象とするものは、動物。
動物が育つ際に「成育」を使用します。
このように対象となるものに対し、「生育」と「成育」を使い分けることとなります。
「生育」の例文
・『私は、子供の頃に自分が植えた苗の生育を見ることが大好きで、そのことがきっかけとなり、林業という仕事を選びました。』
・『大学で農学の勉強をしている私は、稲の生育状況について研究しています。』
・『この夏休み、子供が熱心に向日葵の生育状況を絵に描き色々と調べているようです。』
・『同じ植物でも生育環境によって、その個体の生育に大きな違いが現れます。』
「成育」の例文
・『どんなことがあっても、子供の成育を最後まで見守ることが親の務めです。』
・『子供の成育というものは、子育て中には気づきにくいですが、本当にあっという間です。』
・『同じ動物の赤ちゃんでも成育環境によって、成長に大きな違いが見受けられることがあります。』
・『私は、今後、稚魚の成育を研究し、この地域における養殖業に活かしたいと考えています。』
まとめ
以上が、「生育」と「成育」の違いです。
対象となるものが、植物の場合は「生育」。
動物の場合は「成育」を使用するといったことを基本に「生育」と「成育」を的確に使い分ける必要があります。