この記事では、「投棄」と「廃棄」の違いを分かりやすく説明していきます。
「投棄」とは?
投げ捨てることという意味があります。
「投」はなげる、すてる、「棄」はすてる、ほうりだすという意味を持つ漢字です。
このことからも、「投棄」には投げ捨てるという意味があることがわかります。
投げ捨てるとは、ポイっと放って捨てることだけでなく、無造作に捨てる意味も含まれます。
「不法投棄」という言葉があります。
これは、法律に反する方法で不要なものを捨てることです。
ポイっと放るように捨てることもあるでしょうが、大型家電などは放ることが難しく、実際には置くように捨てることがあります。
放るように捨てても、置くように捨てても、無造作に捨てていることには変わりありません。
「投棄」の使い方
投げ捨てることを指して使用する言葉です。
不要なものを手放すことについて使用をします。
「海洋投棄」「不法投棄」など、違法な行為について使われることが多いです。
「廃棄」とは?
「廃棄」には2つの意味があります。
ひとつは、要らないものとして捨てることです。
要らないものをいつまでも保管していても、場所をとるだけです。
持っていても役に立つことはありません。
要らないものは捨てられます。
必要でなくなったものを捨てることが「廃棄」です。
「廃」はすてる、おとろえる、「棄」はすてるという意味を持つ漢字です。
このことからも、「廃棄」には捨てるという意味があることがわかります。
この言葉が指す捨てるものとは具体的な物です。
たとえば、要らなくなった資料、機械、賞味期限の切れた食品、衣服を作る際にでる糸くずなどです。
もう一つの意味は、当事国の一方の意志によって条約の力をなくすことです。
「廃棄」の使い方
必要のなくなったものを捨てるという意味で使用をします。
具体的な物を捨てることをいいます。
日常的にはあまり使用しませんが、条約の効力をなくす意味もあります。
「投棄」と「廃棄」の違い
どちらの言葉にも「捨てる」という意味が含まれています。
しかし、意味合いが異なります。
前者は無造作に捨てることを意味しています。
海にゴミを投げ捨てる、山林にゴミを放置するなどをいいます。
後者は必要のないものを捨てることを意味しています。
捨て方の意味は含まれていませんが、法律に従った方法で捨てることを指す場合が一般的です。
「投棄」の例文
・『海洋にゴミを投棄する』
・『不法投棄件数を減らすように努力する』
・『投棄されたゴミが問題となる』
・『大量に投棄される』
「廃棄」の例文
・『食品の廃棄率を減らす』
・『本来廃棄されるものをうまく活用する』
・『廃棄されるコーヒーかすを再利用する』
・『古くなった機械を廃棄する』
まとめ
2つの言葉には「捨てる」という意味が含まれており、似たような意味を持っていますが、一方は投げ捨てること、もう一方は要らないものを捨てることで、意味合いが異なります。