この記事では、「不況」と「恐慌」の違いを分かりやすく説明していきます。
2つの似た印象を持つ言葉には、どのような意味と違いがあるでしょう。
「不況」とは?
「不況」という言葉には、どのような意味があるでしょうか。
「不況」は「ふきょう」と読みます。
「不況」は、「経済が停滞している状態」という意味があります。
雇用する人数が減ってしまったり、商品の生産量が縮小されたり、金利が下がってしまうような状況を「不況」と呼びます。
ちなみに「不況」の反対語は「好況(こうきょう)」となります。
「好況」には、状況が良いこと、景気が良いこと」という意味があります。
例えば、バブル景気後に訪れた、平成時代の「不況」を「平成不況」と呼びます。
特に、1991年から1993年を指し、この時期に特に経済が停滞したために、「平成不況」という名前が付いています。
「不況のため、求人募集が少なく、就職に苦労する」とか、「不況が明けないと、物価が上がらない」などという文章を作ることができます。
「恐慌」とは?
「恐慌」という言葉には、どのような意味があるでしょうか。
「恐慌」は「きょうこう」と読みます。
「恐慌」は「景気が一挙に後退する現象」を意味します。
じりじりと、景気が悪くなるというよりも、一夜にして景気が悪くなるようなイメージがあります。
株価が暴落することをスタート地点とする傾向があり、失業者が増えたり、企業が倒産したり、銀行の取り付けでパニックが起こることもあります。
特に有名な「恐慌」が1929年に、アメリカで始まり、世界に広がった「世界恐慌(せかいきょうこう)」です。
1929年10月24日、ウォール街で株価の大暴落が起きてから、1930年代後半まで続く、とても長い恐慌でした。
「恐慌が訪れたら、貯金が紙くずになるかもしれない」、「恐慌に備えて、金を買っておこう」などという文章を作ることができます。
「不況」と「恐慌」の違い
「不況」と「恐慌」の違いを、分かりやすく解説します。
「不況」は、「経済が停滞している状態」という意味があります。
一方で、「恐慌」は「景気が一挙に後退する現象」を意味します。
とても似ている状態ですが、「不況」よりも、「恐慌」の方が、景気の悪さの程度が、さらに悪いと考えることができます。
また、「不況」は慢性化しているのに対して、「恐慌」は一夜にして一気に訪れるような怖さがあります。
このように、「不況」という言葉で表現する経済の停滞よりも、さらに程度の悪いのが、「恐慌」で、じわじわとではなく、一夜にして訪れるような不景気を、「恐慌」と呼ぶと、間違えることがなくなりそうです。
まとめ
「不況」と「恐慌」の違いについて見てきました。
「不況」よりも、「恐慌」の方がひどい状態で、さらに急激にやってくるイメージがあることが分かりました。
このように「不況」と「恐慌」という2つの言葉の意味の違いを知ることで、きちんと使い分けることができるようになりそうです。