「みだりに使う」という言葉は、いくつかあります。
この記事では、「濫用」と「乱用」の違いを分かりやすく説明していきます。
正しい中身を知って、知識の底上げをしていきましょう。
「濫用」とは?
濫用(らんよう)とは、むやみに使うこと。
限度をこえて、やみくもに使用することです。
政治家など特別な立場の人が、その地位を利用することを「職権の濫用」ということもあります。
濫用には「濫」という、普段あまり使わない漢字がふくまれています。
濫は水がめから、大量の水があふれる様子から生まれた言葉。
水があふれるとき、水面は揺れることから「みだれる」という意味に発展しました。
そのため濫用は「みだれて、用いる」という内容に。
規律が守られずに、だらしなくなる様子が表されています。
濫用はけじめが付かなくなり、無法地帯になったこと。
ルールを破って、権利をみだりに使うことです。
濫用はこのように用います。
「社内のシステムは権限濫用されないように、厳重な警備体制をしいています」「リモートワークの濫用によって、社内のコミュニケーション不足が心配されている」濫用には「特権を利用する」という訳のほかに「頻繁に使用する」という意味もあります。
「乱用」とは?
乱用(らんよう)とは、これといった理由がないのに、使いすぎること。
ルールから外れて、手を染めてしまうことを意味します。
乱用には「乱」という漢字がふくまれています。
「乱」には「やたらと・何回も」というニュアンスが含まれています。
そのため「乱用」は、何回も繰り返しおこなってしまうこと。
いけないと分かっているのに、体が勝手に動いてしまう危険な状態を「乱用」といいます。
薬物の乱用、危険ドラッグの乱用などはその一例です。
乱用はこのような使い方をします。
「海外の若者たちの間で、大麻など違法薬物の乱用が問題になっている」「かぜ薬の乱用による、健康被害が報告されている」乱用は違法なものに手を染めること、また度をこして使用することです。
「濫用」と「乱用」の違い
どちらも「らんよう」と読めるので、紛らわしいです。
「濫用」と「乱用」の違いを、分かりやすく解説します。
・特権の濫用、薬物の乱用 「濫用」と「乱用」はスマホで文字を変換するとき、間違えやすい言葉です。
「濫用」は権力のある人が、その立場を悪用するときに用います。
「職権の濫用」などがその一例です。
そして「乱用」は違法な薬物などを、くり返し常習すること。
大麻や覚せい剤、コカインなどを繰り返し使ってしまうことです。
権力をみだらに用いることは「濫用」、薬物をやたらと使うことは「乱用」です。
まとめ
「濫用」と「乱用」の違いを分かりやすくお伝えしました。
どちらも「らんよう」と読みます。
権力をやみくもに利用することが「濫用」。
薬物などを繰り返し使うことが「乱用」です。
辞書によっては同じ扱いになっていることもありますが、明確な差を覚えておくと便利です。