この記事では、「監事」と「監査」の違いを分かりやすく説明していきます。
「監事」とは?
「監事(かんじ)」とは、「株式会社をはじめとする組織・団体の業務や決算が正しく遂行されているのかを監督する役職およびその人」を意味している経営用語です。
「監事」という役職名は、「営利法人である株式会社・合資会社・合名会社」だけではなく、「社団法人・財団法人・福祉法人・医療法人・宗教法人」などの非営利法人(非営利団体)にも使用することができます。
株式会社の「監事」を限定的に指し示したい場合には、会社法に定めのある「監査役」を使うこともできます。
「監査」とは?
「監査(かんさ)」とは、「ある組織・団体の業務内容および会計・経理(決算書の内容)について、何か違法性や問題点がないかを検査すること」を意味している経営用語です。
「監査」というのは、「企業・団体が法律や道義(倫理)に従って正しく経営されているか、その業務の結果(損益・資産と負債)について正しく会計処理して決算書を作成しているのかを監督してチェックする業務」なのです。
コンプライアンス(法令遵守)や経営の透明性を高めて、株主に対する責任および社会的責任(CSR)を果たすために、「監査」は必要な業務であると言えます。
「監事」と「監査」の違い
「監事」と「監査」の違いを、分かりやすく解説します。
「監事」とは、「ある組織・団体の監査をする役職あるいはその役職に就いている人物」を意味しています。
「監事」に対して「監査」の言葉は、「ある組織・団体が問題なく業務を遂行しているか、違法行為をせずに正しい会計管理(決算書作成)をしているかなどを検査すること」を意味している違いがあります。
「監事」は「ある組織・団体がきちんと運営されているか監査する役割・役職、その役職に就いて職務遂行する人物」であり、「監査」というのは「組織・団体の業務および経理・決算書作成が問題なく行われているかを監督したりチェックしたりする行為そのもの(=監事の仕事)」であるという点が違っているのです。
「監事」の例文
・『監事という組織の経営・財務を監督するための役職名は、株式会社(営利法人)だけではなく一般社団法人などの非営利団体でも使われることがあります。』
・『監事は対象となる株式会社や社会福祉法人などの業務実態・経理をチェックする第三者的な役割を果たすため、一定以上の独立性を保っておく必要性があります。』
「監査」の例文
・『株式を証券取引所に上場して株主からの投資を受けた場合、その会社(上場企業)は監査を受けないという選択をすることはできません。』
・『企業トップの代表取締役といえども、監査役に対して忖度を求める指示は出せず、監査役は第三者機関として監査の役割を果たすことになります。』
まとめ
この記事では、「監事」と「監査」の意味の違いを分かりやすく解説しましたがいかがでしたか。
「監事」とは「各種の法人の監査をする役職」の意味を持っていて、「監査」は「会社がきちんとルールにのっとって経営されているか、決算書にごまかし・ミスなどがないかをチェックすること(主に監事・監査役が検査すること)」を意味しているという違いがあります。
「監事」と「監査」の意味や例文をリサーチしたい時には、この記事の解説を参考にしてみてください。