「奉公」と「奉仕」の違いとは?分かりやすく解釈

「奉公」と「奉仕」の違い言葉・カタカナ語・言語

この記事では、「奉公」「奉仕」の違いを分かりやすく説明していきます。

「奉公」とは?

「奉公」とは?

「奉公」には4つの意味があります。

1つめは、他の人の家に雇われて、その家の家事や生業にもっぱら携わることです。

住み込みの仕事という意味合いではなく、その家に尽くすといった意味合いです。

昔は行儀見習いのために、他の家に雇われて家事などをしていたことがあります。

この場合、作法などを教えてもらうことを目的に雇われており、家事や家業をして給料を得ることを目的にしているのではありません。

2つめは、国家や朝廷のために自分の身をささげて働くことです。

自分の命をかけて働くようなことをいいます。

3つめは、封建社会で主家に対する従者が尽くす義務のことです。

鎌倉時代、頼朝に従える武士は御家人と呼ばれていました。

頼朝からは活躍した武士に土地を与え、武士は求められればいつでも戦いに臨むことを誓いました。

これを「奉公」といいます。

4つめは主家に対して功績があることです。

「奉公」の使い方

主家に対して従者が尽くす義務という意味では、歴史の教科書などにこの言葉がでてきます。

それ以外の場面では、身をささげて働く、他の家に雇われて家事などをするという意味で使用をしています。

「奉仕」とは?

「奉仕」とは?

「奉仕」には3つの意味があります。

1つめは、神仏や主君などに、軽い気持ちではなくうやうやしく仕えることです。

利益を目的として行われるものではありません。

2つめは、損得勘定なしに国家や社会のために尽くすことです。

地域の人たちのお世話になっているからと、学生たちが地域のゴミ拾いをしました。

ゴミ拾いをしても収入を得ることはできません。

それでもゴミを拾いました。

これは社会に尽くしている行為といえ、「奉仕」といいます。

3つめは、商店が客に対して品物を安く売ることです。

「御奉仕価格」などといいます。

通常の価格よりも低いことを意味します。

「奉仕」の使い方

利益を目的とせずに尽くすという意味で使用をします。

この行為は収入を得るために行われるものではありません。

安く売るという意味でも使われます。

「奉公」と「奉仕」の違い

「奉公」と「奉仕」の違い

尽くすという意味が似ていますが、2つの言葉のニュアンスは異なります。

「奉公」は他の家に雇われて尽くすことで、食事の世話をしてもらうなど何らかの見返りがあります。

また、封建社会での義務の場合も、従者は主家などから土地などをもらっています。

「奉仕」は国家や社会などのために行われるもので、見返りは求めていません。

「奉公」の例文

「奉公」の例文

・『奉公に出る』
・『奉公させていただく』
・『奉公することを約束する』
・『一生奉公するわけではない』

「奉仕」の例文

「奉仕」の例文

・『ひたすら奉仕する』
・『地域に奉仕したい』
・『高齢者に奉仕をする』
・『奉仕活動を続ける』

まとめ

まとめ

尽くすという意味が似ていますが、2つの言葉のニュアンスは異なります。