この記事では、「先見」と「洞察」の違いを分かりやすく説明していきます。
「先見」とは?
「先見」とはこれから何が起こるのかを判明させること、これから先に何が起きるのかを見通すことです。
実際に何らかの物事が起こる前に、過去の経験や知識と、現在の状況から何かが起こり得る兆候を見逃さない観察力で、今は起きていない何かが発生することを事前に予想できる能力が「先見」と言えます。
「先見」は予言のようにオカルトじみたものではなく、以前こういう物事が起きた時と似た兆候が見て取れるから、これからそういう物事が起こる可能性が高いというように、理論や合理性に基いた根拠を元に予測するものです。
そのため「先見」の明を身につけるためには、様々な知識と観察力、集中力などの多種多様な能力と、身に付けた情報と見つけた情報を結びつける直感力も必要になってきます。
「洞察」とは?
「洞察」とは物事の表面的な事実だけではなく、より深い本質的な部分まで見抜くことを指します。
大まかに表面上の状態だけ見て物事を判断せずに、表面に出ている物事から、その奥底にある根本的なものを察することが「洞察」です。
例えば山から大きな石が落ちてきた時に、ただの落石事故と判断せず、その山の状態が気になり、山に生えている樹木の数や分布、山の地質などを調べた結果、山崩れの兆候だと判明できることもあります。
このように物事の一面だけを見ずに、関連する物事から多角的に見ることで、その物事は本質的にどんな物事の一部だったのかを見通すことが「洞察」です。
そのため「洞察」した結果その物事は兆候にすぎないと判明し、結果としてこれから先に起こることが予想できることもあります。
「先見」と「洞察」の違い
「先見」と「洞察」の違いを、分かりやすく解説します。
「先見」は事前にこれからどういう事が起きるのかを見通すことで、「洞察」はその物事の本質は何なのかを表面的ではなく奥底から見抜くことです。
どちらも現状や些細なことにまで着目して何かを見るという点で共通していますが、「先見」はこれから先という未来を見るのに対し、「洞察」は物事の本質を見ているという違いがあります。
また「先見」にはその時起きている様々な物事を本質的に判断し、そこから何が起きるのかを予想することになるので、必然的に「先見」のためには「洞察」力も必要です。
しかし「洞察」はあくまで何かの本質を見極めるだけなので、「洞察」の結果「先見」に繋がることはあっても、「洞察」するためにこれから先を予想する「先見」は必要ありません。
まとめ
「洞察」すると既に起きた物事が完結した事象ではなく、何かの予兆だったことが判明することもあるので、結果として「先見」になることもあり得ます。
ですが「洞察」の目的は本質を見抜くことであり、「先見」のようにこれから先を見通すことではないので、何を目的としているかでしっかりと使い分けるべきです。