この記事では、「詐欺」と「錯誤」の違いを分かりやすく説明していきます。
「詐欺」とは?
「詐欺」とは「さぎ」を読み、他人をだまして金品を奪い損害を与えたりすることを言います。
現在、民法では「詐欺」の規定は以下のように定められています。
民法96条 相手方に対する意思表示について第三者が詐欺を行った場合においては、相手方がその事実を知っていたときに限り、その意思表示を取り消すことができる。
「詐欺」と似ている言葉に「ペテン」があります。
うそをついて人をだますこと。
また、その手段。
「ペテン師」などの使い方があります。
「ペテン」が詐欺行為を含まないうそをついて騙すことを意味するのに対し、「詐欺」は犯罪の意味を含んだ使いかたをします。
「詐欺」の使い方
例文1「彼は詐欺にあった」
例文2「振り込め詐欺の被害が後を絶たない」
「錯誤」とは?
「錯誤」とは「さくご」と読み、間違いやちがうこと、を意味します。
その他にも、認識と客観的な事実が一致しないことを言います。
現在、民法では「錯誤」の規定は以下のように定められています。
民法95条 意思表示は、法律行為の要素に錯誤があったときは、無効とする。
ただし、表意者に重大な過失があったときは、表意者は、自らその無効を主張することができない。
民法の「錯誤」に関する規定とは、「間違って契約の判子を押してしまった」「金額を勘違いしていた」という場合、契約を無効にできる救済措置を言います。
「錯誤無効」(さくごむこう)という法律用語があります。
「錯誤」を理由に法律行為が無効になることを言います。
ただし「錯誤」は「詐欺」と異なり、自分で勘違いした場合を意味するので、要件を満たさなければ、契約は無効となりません。
「錯誤」に似た言葉に「過誤」(かご)があります。
あやまち。
やり損じを言います。
「思わず過誤を犯す」と言った使い方もあります。
「過誤」が失敗する行為の表現に対し「錯誤」は「違うこと」を広く意味します。
「錯誤」の使い方
例文1「相手とこちらの理解には錯誤がある」
この例文は、「こちら」意思「相手」に伝わらないと表現するときに、「錯誤」が使用されています。
例文2「女性らしさを求めるとは、時代錯誤も甚だしい」
この例文は、「時代錯誤」という四字熟語で、多様性の時代に、女性らしさを求めるという矛盾を表現しています。
「詐欺」と「錯誤」の違い
「詐欺」と「錯誤」の違いを、分かりやすく解説します。
この2つの違いは、民法での違いとなります。
「詐欺」相手にだまされた場合
「錯誤」自分で勘違いした場合
どちらにしても、「意思表示」を取り消すことができるのは、「詐欺」も「錯誤」も同じです。
もし、契約書に印鑑を押してしまっても、「詐欺」「錯誤」どちらかに該当すれば、契約は無効にすることができます。
まとめ
「詐欺」相手にだまされた場合
「錯誤」自分で勘違いした場合
「詐欺」「錯誤」どちらかに該当すれば、契約は無効にすることができます。
難しい法律用語のですが、生活に密着した言葉なので、2つの違いを知っておきましょう。