この記事では、「青書」と「白書」の違いを分かりやすく説明していきます。
青と白の気になる差を、学んでいきましょう。
「青書」とは?
青書(せいしょ)とは、外務省が出す文書のこと。
正式名称は「外交青書」といいます。
日本と外国の国がどう付き合っているのか、外交の歴史をまとめた記録書です。
そもそも外交青書は1957年、岸信介総理大臣が首相だったときに作られた文書です。
それ以降、外務省が1年に1回まとめたものを内閣に提出することになっています。
「今年の外交青書はこのような内容となりました」とテレビのニュースで取り上げられることも多いので、耳にしたことがある方も多いと思います。
青書には日本の世界におけるポジションや最近の国際情勢について、また懸念される海外の動きなどを示しています。
日本の国がどう思っているのか、内外にしめす役割を担っているのが白書です。
2021年の青書には「台湾を大切な友人」と捉えるなど、中国をつよく意識した内容になっています。
「白書」とは?
白書(はくしょ)とは、政府の機関が出す文書のこと。
政府が国民に向けて、国の現状を伝えるものです。
「日本の様子を、速報でお伝えします」というニュアンスで用いられています。
もともと白書は、イギリスの議会で使われていたものです。
当時の報告書が「ホワイトの表紙」で綴られていたことから「政府の刊行物」を白書と呼ぶようになりました。
白書は法務省が出す犯罪白書、そして文部科学省が出す科学技術白書など、色々なものがあります。
年次報告書としての役割もあるので、基本的には1年に1回、6月から9月の時期に新しいものが出されています。
白書を読むためには政府刊行物をあつかっているサイトや直売の販売所で購入します。
1冊およそ数千円で販売されています。
「青書」と「白書」の違い
どちらも政府の報告書です。
「青書」と「白書」の違いを、分かりやすく解説します。
・外交のみ「青書」
青書は外交青書など、外務省の報告書につかわれている言葉です。
一方で白書は防衛や少子化など、あらゆる政府刊行物の年次報告書に用いられています。
そのため「青書」は外交、それ以外の政府刊行物は「白書」と区別できます。
ちなみに外交青書のみ「青」という文字が使われているのは、白書と同じく英国議会で「ブルーの表紙」が用いられていたからです。
そのため白書も青書もイギリス議会の伝統を受け継いでいるもの、お手本にしているものになります。
青書も白書も数百ページにわたる、ぶ厚い書物になっています。
まとめ
「青書」と「白書」の違いを分かりやすくお伝えしました。
どちらも政府の刊行物の名称です。
「青書」は「外交青書」のこと。
外務省が発行している外交の歴史をつづった文書です。
日本の思想や外交記録を示したものになります。
そして「白書」は交通安全白書や国民生活白書のように、各省庁が発行している年次報告書になります。
色々な刊行物を知って、知識を深めていきましょう。