人目を集める装いを指す言葉に「おしゃれ」と「奇抜」があります。
似ているようで大違いのこの言葉、どんな基準で区別されているのでしょうか。
今回は、「おしゃれ」と「奇抜」の違いについて解説します。
「おしゃれ」とは?
「おしゃれ」とは、「センスが良く似つかわしい装い」を意味する言葉です。
「おしゃれ」という言葉は人や物外見のうち自由に組み合わせたり変更できたりするものに対して使われる表現です。
見た目というのや色や形により大きく印象が変わるものです。
同じ形でも色が違うだけで格好良く見えることもあればみすぼらしく見てしまうこともあります。
アイテム同士の組み合わせによっても見た目が良くなったり悪くなったりと大きな違いが出ます。
「おしゃれ」とは「洗練されていてあこがれの対象になるような見た目」を指す言葉です。
一般的には見た目そのものだけではなくそのような見た目を決めるに至ったセンスや考え方のことも「おしゃれ」と表現します。
「おしゃれ」は漢字だと「御洒落」と書きます。
「洒落」という言葉は「気が利いている」「頭が回る」といった意味があり「他の人には思いつかないようなことを思いつくセンスの良さ」を表します。
そこから転じて「センスの良さによって作り上げられた見た目の素晴らしさ」を指すようになり、現在では主に髪型や服装など「気を配って整えられた身なり」を指す表現です。
「おしゃれ」の使い方
・『おしゃれには興味のある年頃ならば洋服代がかさむのも仕方がない』
・『明日はデートなので精一杯おしゃれするつもりだ』
・『本当におしゃれな人は高級ブランドを着なくてもセンスが光るものだ』
・『手持ちの服を組み合わせておしゃれに着こなしたい』
「奇抜」とは?
「奇抜」とは、「常識の枠にとらわれていないこと」を意味する言葉です。
「奇抜」が指すのは「常識的な考えではとても思いつかないような発想やとらない行動」です。
我々が何かを考えるとき、無意識のうちに範囲を狭めその範囲の中で物事を考えようとします。
一般的そのような考えを狭める枠のことを常識や先入観などと呼びますが、そのような「無意識のうちに多くの人がもつ考えの限界を軽々と超えるほど変わっていること」を指して「奇抜」と表現します。
「奇抜」とは「奇妙で抜きん出ている」ことを表します。
たんなる程度の違いではなく発想や行動の飛躍をあらわす言葉なので常識的な考えではとても理解が及ばないくらいかけ離れているものに対して使われる表現です。
常識の枠にとらわれないという意味で褒め言葉として使われることもありますが、多くの場合大胆さは認めつつも常識はずれであることに対する批判や非難の意味合いを含む表現として用いられています。
「奇抜」の使い方
・『奇抜な装いに驚きの声が上がる』
・『発想の奇抜さについては右に出るものがいない』
・『ただ奇抜なだけで何の感銘も受けない』
・『奇抜な格好でインパクトを与える』
「おしゃれ」と「奇抜」の違い
「おしゃれ」と「奇抜」の違いは「人に受け入れられるかどうか」です。
どちらもありふれたものとは一線を画するセンスを指す言葉ですが「おしゃれ」が常識的な範囲で人に受け入れられる斬新さであるのに対し「奇抜」は常人には受け入れがたい過剰な斬新さを意味します。
似合っていて多くの人が受け入れれば「おしゃれ」、斬新ではあるが受け入れがたいのが「奇抜」という違いで区別されます。
まとめ
「おしゃれ」と「奇抜」ではまったく意味が異なりますが、実際には意味の違いほどの差はなく紙一重の存在です。
「おしゃれ」が「奇抜」になることもあればその逆もあります。
何を持って価値を認めるのかは時代や流行によっても異なるので慎重に判断しましょう。