この記事では、「静める」と「鎮める」の違いを分かりやすく説明していきます。
「静める」とは?
「静める」の主な意味は2つあります。
1つめは物が出す音や声を小さくするです。
まったく音がしないことではなく、その音の程度が小さくなることを意味します。
テレビの音は調節することが可能です。
ボリュームが25だとうるさいと感じていて、15にしたとします。
25から15に10ボリュームが下がっています。
これによって音が小さくなりました。
園庭で遊ぶ子どもたちは、キャーキャー、ワーワーと非常に賑やかです。
機械のように音のように調節することはできませんが、先生の声で声を小さくさせることはできます。
キャーキャーなどの声の程度がわずかになるのです。
数値で表せるものではありませんが、程度がわずかであると感じられれば、この言葉が意味するものです。
もう一つの意味は勢いを奪い去るです。
「静」という漢字には、じっとしている、落ち着いているという意味もあります。
火事があったとします。
家を丸ごと焼けつくすほどの勢いです。
消防隊が消化活動をした結果、火の勢いが弱くなってきました。
このような活気や気勢がなくなることを意味します。
「静める」の使い方
聴覚が音波を捉えて感じとるものの程度が小さくなる、気持ちが落ち着くというで使うことが多いです。
「鎮める」とは?
「鎮める」の主な意味は3つあります。
1つめは、騒動や騒乱などを穏やかな状態にするです。
不作が続き、食料が十分に手に入らず、農民が怒りを感じており、米屋を打ち壊したとします。
これは暴力的な行為で、秩序が乱れている状態です。
これを役人などが落ち着いた状態にさせとします。
こういった秩序が安定している状態にすることを意味します。
2つめは、体の痛み、症状、乱れた気持ちなどを安定した状態にするです。
普段36. 2℃の体温の人が38℃の熱がでました。
体を休めたり、薬を飲んだりしたことで、36. 5℃くらいになりました。
これは「熱を鎮める」といいます。
症状が出ていた状態から、症状の安定した状態になっています。
安定していれば、普段の生活をすることができます。
3つめは神霊を安置する、霊魂を落ち着かせるです。
「鎮める」の使い方
乱れているものを落ち着いた状態にするという意味で使うことが多いです。
「静める」と「鎮める」の違い
「静める」は耳に届く音波の程度を小さくすることや、勢いを奪い去ることです。
「鎮める」は症状や乱れた気持ちが安定した状態になること、騒動などの乱れた状態が安定した状態になることです。
音のことではありません。
「静める」の例文
・『ぐーっというお腹の音を静める』
・『歓声を静める』
・『静めるために指示をだす』
・『観衆を静める』
「鎮める」の例文
・『痛みを鎮める』
・『怒りの気持ちを鎮める』
・『顔のほてりを鎮める』
・『頭痛を鎮める』
まとめ
「しずめる」と読みは同じですが、一方は耳に届く音波の程度や勢いについて、もう一方は体の状態や騒動などについて使われています。