この記事では、「発表」と「報告」の違いを分かりやすく説明していきます。
「発表」とは?
多くの人に知らせることです。
ピアノ教室に通って習っている人は、多くの人の前で演奏する機会が設けられると思います。
ホールなどを借りて、観客を入れて演奏するのです。
これは、プロが仕事として行うようなものではなく、練習の成果を人々に知ってもらうために行うものです。
これを「ピアノ発表会」といいます。
今度は小説のことで考えてみます。
書いた物語は、自分だけが知っていることもできますが、せっかく書いたのだから多くの人に知ってもらいたいです。
プロなら本という形で世の中に出すでしょう。
本として世の中に出せない場合には、小説を投稿できるサイトや自分のブログなどに、書いたものを載せることでしょう。
これらの行為は、多くの人に知ってもらうために行うものです。
この場合は「小説を発表する」ということができます。
「発表」の使い方
多くの人に知らせるという意味で使用をします。
学校でクラスの人たちに知らせることにも、世間一般の人の多くの人に知らせることにも使用できます。
何人以上という定義はありません。
「報告」とは?
伝え知らせることです。
とくに任務を与えられたものが、その進行状況や結果などを知らせることをいいます。
ウイルスの感染者のことで考えてみます。
あるウイルスは変異しやすく、いくつかの変異ウイルスが見つかっています。
感染者がどの変異株に感染しているのかを調べてみました。
そして、調べてわかったことを伝えました。
これが「報告」です。
特定の誰かに伝えることも、世間の多くの人に伝えることも意味しています。
任務とは関係ない事柄でも、伝え知らせることについていうことができます。
たとえば、芸能人が結婚をすると、世間に向けて知らされます。
これは「結婚報告」といいます。
「報告」の使い方
伝え知らせることについて使用します。
この言葉自体には、どのようなことを伝え知らせるのか意味に含まれていませんが、とくに任務を与えられたものが、その進行状況や結果などを伝えることに使用されます。
「発表」と「報告」の違い
どちらの言葉にも「知らせる」という意味が含まれていますが、同じ意味を持っているのではありません。
前者は多くの人に知らせることです。
進行状況や結果など以外のことについてもいいます。
後者はとくに任務などの状況・結果を知らせることです。
たとえば「ピアノ発表会」とはいいますが、「ピアノ報告会」とは一般的にはいいません。
「発表」の例文
・『発表を静かに聞く』
・『発表する順番を待つ』
・『発表しなければならず緊張する』
・『明日発表があります』
「報告」の例文
・『報告する義務がある』
・『すぐに報告してください』
・『優勝したと報告した』
・『その報告を聞いてうれしかった』
まとめ
知らせるという意味を持つ2つの言葉ですが、やや意味合いが異なります。