この記事では、「当然」と「当たり前」の違いを分かりやすく説明していきます。
「当然」とは?
「当然」は、そうなることがあたりまえであること、道理にかなっていること、その様子を意味します。
何か行うことにおいて、そうすることが普通だという際に「当然」が用いられます。
「当然」の場合、話し言葉としても用いることができまずが、一般的には書き言葉として用いることが多く、また、かしこまった際や目上の人にも用いることが可能です。
「当然」の類語には、「無論」や「勿論」、「至極当然」などがあります。
また、対義語は、考えていた状態と違うといった意味の「意外」です。
「当然」の使い方
「当然」には、そうなることがあたりまえという意味で「当然の結果」や「当然の報酬」、「当然の罰」、「当然の疑問」、「当然の報い」、「当然の評価」などがあります。
「当たり前」とは?
誰がどう見ても、どう考えても、そうなるであろうことを意味する「当たり前」。
世間一般的に明確でわかりきっていることや内容、様子などを意味する言葉となります。
この「当たり前」の場合は、基本的に話し言葉として用いるものとなります。
そのため、「当たり前」を書き言葉として用いることはできません。
また、「当たり前」の場合、用いる相手を選ぶ必要があり、目上の人に用いるべき言葉ではありません。
「当たり前」の類語には、「言うまでもない」や「論を俟たない」、「言を待たない」などがあります。
対義語は明確なものはないものの、「とんでもない」が「当たり前」の対義語にあたります。
「当たり前」の使い方
話し言葉として用いられる「当たり前」の場合、「当たり前のこと」や「当たり前のように」、「当たり前の礼儀」などがあります。
「当然」と「当たり前」の違い
「当然」も「当たり前」も、そうなることがあたりまえ、誰がどう考えても、そうなるであろう、といった共通の意味を持つ言葉です。
そのうえで、使い方に違いがあり、その点に注意が必要です。
基本的に「当然」は書き言葉で、「当たり前」は話し言葉。
また、「当たり前」を目上の人に用いることはできません。
このような違いに注意が必要な「当然」と「当たり前」となります。
「当然」の例文
・『ろくに勉強もせずに受けたテストの結果は、当然、最悪の点数でした。』
・『これだけ悪いことをしたのだから、先生が怒ることも当然です。』
・『愛想もよく、接客態度も問題ない彼女がお客様に人気があるのは当然です。』
・『今回の結果は、当然の結果ではないでしょうか。』
「当たり前」の例文
・『あなたの場合、これぐらいのことはできて当たり前です。』
・『当たり前の礼儀も知らないほど、社会に出て恥ずかしいことはありません。』
・『目の前に困っている人がいたら助ける。これは、人として当たり前のことではないでしょうか。』
・『当たり前の日常がある日突然、失われることもあります。』
まとめ
同じ意味として用いることができる言葉ですが、使う場面や使う相手などに注意し、適した使い方を心掛けてください。