この記事では、「凡例」と「判例」の違いを分かりやすく説明していきます。
「凡例」とは?
「凡例」とは、「はんれい」と読み、一部で「ぼんれい」と読む場合がありますが、これは誤った読み方です。
「凡例」とは、書物などで、その目的や方針、使用方法などについて、箇条書きにまとめて説明がなされている部分を指す言葉です。
「凡例」は、一般的に書物の初めに書かれており、その書物が意味する目的や使用方法などを示しており、本文で示されている内容について、「凡例」を元に説明されていたり、「凡例」を元に使用例などが書かれていたりします。
「凡例」の表示方法については、その書物によって異なっており、書物によってその意味を理解する必要があります。
「凡例」が使われるのは書物だけではなく、簡単なグラフや図と言った形式でのものについて、補助的な位置で「凡例」が表示され、そのグラフや図がより分かり易い形として使われる場合もあります。
「判例」とは?
「判例」とは、「はんれい」と読みます。
「判例」は、裁判において過去に決定された判決を基にした法的判断の事を指します。
「判例」は、その後に裁判に影響を与え、同様の種類の裁判において過去の「判例」を参考にして判決が決定され、裁判における先例と言えるものです。
このような意味から、新しく制定された法律下で行われる裁判の判決では、その後の将来に渡っての裁判の先例として、将来の同様の裁判において影響を与える事になります。
これは裁判官によって、同様の事件の判決内容が異なってしまう事は不公平であるという考え方に基づいているためです。
「判例」は過去の先例の基づて決定されますが、同様の事件について同じ判断が積み重なる事で、「判例」の拘束力はさらに強まり、過去の「判例」を重視する判決は多くなっていきます。
「凡例」と「判例」の違い
「凡例」と「判例」は、共に「はんれい」と読む同音異義語です。
そのため、同じ読み方ですが、その違いは明確で全く異なる意味を持っています。
「凡例」は、書物の最初に書かれている、目的や使用例を箇条書きにしている部分を指す言葉であり、「判例」は裁判において過去の判決に基づいて決定される法的判断の事を指します。
「凡例」と「判例」はこのように全く別の意味を持つ言葉ですから、使用の際は注意する必要があります。
「凡例」の例文
・『凡例を参考にして、書物の意味を読み解く必要がある』
・『グラフや図を使って説明する際は、凡例を分かり易く明記するとよい』
「判例」の例文
・『過去の判例から、この裁判は実刑が妥当だろう』
・『この事件は非常に世間から注目されており、判例より重い判決が下る可能性がある』
まとめ
「凡例」と「判例」は、「はんれい」の同音異義語ですが、その意味は全く異なっています。
会話で使用する際は、その前後の言葉や会話内容でどちらの意味で使われているかをしっかりと理解する必要があり、文章として使用する場合には意味を混同しないように注意が必要です。