この記事では、「明記」と「記載」の違いを分かりやすく説明していきます。
「明記」とは?
はっきりと文字を書きつけることです。
たんに文字を書きつけることではなく、はっきりと書きつけることをいいます。
懸賞の専用応募はがきには、住所や氏名を記入する場所があります。
ここにはっきりとわかるように、住所や氏名を書かなければなりません。
住所を市までしか書かずマンション名を省く、氏名を姓しか書かないといったことでは、住所も氏名もはっきりしません。
これでは「明記」しているとはいえないです。
住所はマンション名や部屋番号まで書く、氏名は姓も名も書く、これなら住所も氏名もはっきりとわかります。
このような書き方が「明記」が意味するものです。
今度はピアノ教室のことで考えてみます。
小さいころから子供にピアノ習わせる家庭もあるようです。
しかし、あまりにも小さい子では、講師の言っていることがわからなかったり、ピアノを演奏することができなかったりします。
そのため、ピアノ教室によっては対象年齢を決めています。
教室のホームページやパンフレットに「○○歳以上」と書かれていれば、これは対象とする年齢が「明記」されているといえます。
もしも書いてなければ、はっきりしていないので「明記」しているとはいえません。
「明記」の使い方
はっきりと書き記すことという意味で使用をします。
曖昧である場合には使用しません。
「記載」とは?
書類や書籍などに書いてのせることです。
商品カタログのことで考えてみます。
このカタログには、食べもの、飲み物、家電製品、衣類などが載せられています。
商品の写真と説明だけでなく、価格もすべてのものに書かれています。
価格がカタログに書いてのせられており、このことは価格が「記載」されているといいます。
今度はレシピ本のことで考えてみます。
このレシピ本にはクッキーの作り方がのっています。
材料、作業の順序などが書かれているのです。
材料については、小麦粉を何グラム、卵をいくつなど、細かく数字も書かれています。
これは材料と分量が「記載」されているといいます。
「記載」の使い方
書類や書籍などに書いてのせることを指して使用します。
書いてのっているものなら、内容を問わず使うことができます。
「明記」と「記載」の違い
どちらの言葉にも「書く」という意味合いがあるのですが、同じことを指しているのではありません。
前者は、はっきりと書き記すことを意味します。
どこに書くという意味は含まれていません。
後者は、書類や書籍などに書いてのせることです。
はっきり書くことという意味は含まれておらず、「書いて」「のせる」ということに重きがおかれています。
「明記」の例文
・『住所を明記してください』
「記載」の例文
・『記載されている内容をよく読む』
まとめ
「書く」という意味が似ている2つの言葉ですが、はっきり書くこと、書いてのせることと、それぞれの言葉の意味は異なります。