ものの見方を意味する言葉として「主観的」と「客観的」があります。
どちらも日常生活で普通に使われている表現でありニュースなどでもよく耳にしますが、この2つにはどのような違いがあるのでしょうか。
今回は、「主観的」と「客観的」の違いについて解説します。
「主観的」とは?
「主観的」とは「ものの見方や考えが個人に依存しているさま」を意味する言葉です。
ものの見方は人それぞれです。
人の数だけ存在するものの見方のうち「その場における主たるものに取ってのものの見方」のことを「主観」といいます。
「主観的」とはものの見方が「主観」に偏っていることを表す言葉であり一般的には「自分もしくは本人のものの見方に偏っているさま」を意味します。
ただし、自分にとっての他人は他人にとっての本人であることから「特定の個人が持つものの見方に偏ったり依存している」様子を指して「主観的」と表現します。
「主観的」はその人本人の判断で完結しているものの見方や価値判断を意味しています。
似たような言葉として「独善的」「一方的」などがありますが、「主観的」は具体的な行動を伴わないものの見方や考え方などの表からは見えない心理的作用に対してのみ使われる表現です。
「主観的」の使い方
・この報告書は主観的すぎて参考にならない。
・半分あれば十分だというのは主観的な考えにすぎない。
・主観的には大したことがないと思えるが、他の人はどう思うだろうか。
・当事者によって主観的に書かれた日記が見つかる。
「客観的」とは?
「客観的」とは、「ものの見方や考えが当事者以外の第三者に依存しているさま」を意味する言葉です。
一般的には「特定の考えや価値観に縛られず先入観がないものの見方」という意味で使われている「客観的」という言葉には「中立性」という様子が含まれています。
「利害や損得など直接的な関わりがない立場からのものの見方」が「客観的」であることから「公平公正で妥当性があるものの見方」という意味に繋がります。
基本的には「多くの人が納得するような意見や考えにつながるようなものの見方」を表しており、自らの気持ちや考えをいれず不特定多数を想定して成立するものを指します。
「客観的」の使い方
・客観的に見て自分に非はないと思う。
・ずいぶんと熱が入っているが客観的にはどうでも言い争いにしか思えない。
・コンサルタントとして客観的な立場からアドバイスする。
・次のリーダーに相応しいのは客観的に見て彼だと思う。
「主観的」と「客観的」の違い
「主観的」と「客観的」の違いは「視点の所在」です。
「主観的」は主人公や当事者など物事の主たる人物の視点に立ったものの見方を意味します。
特定の個人によるその人だけの考えや価値観を指しているので大きく偏っていることが多いですが、その偏りがいいものか悪いものかはケースによって異なります。
「客観的」は物事に直接的に関わりのない第三者の支店にたったものの見方を意味します。
誰でもない誰かの視点なので直接的な利害や価値判断に左右されることのない偏りのないものの見方が成立します。
私や僕など一人称からの視点が「主観的」、彼やあの人など三人称からの視点が「客観的」という違いで区別されます。
まとめ
「主観的」と「客観的」は普段の生活でも登場する言葉ですがきちんと意味を理解しておかないと混乱の原因になります。
それぞれがどのような意味で使われるのかをきちんと知っておけば間違えることはなくなります。