この記事では、「象形文字」と「甲骨文字」の違いを分かりやすく説明していきます。
2つの言葉には、どのような意味と違いがあるでしょうか。
「象形文字」とは?
「象形文字」という言葉には、どのような意味があるでしょうか。
「象形文字」は「しょうけいもじ」と読みます。
「象形文字」は「物の形をかたどって描かれた文字からできた、文字体系」という意味があります。
いわゆる絵文字から生まれたと考えられています。
例えば、「火」という漢字は、燃え立つ炎の揺らめきの形から生まれた漢字になります。
また、「水」という漢字は、流れる水の姿を形にしたものから生まれています。
他にも、雲から雨が降る様子を形どったものが「雨」という漢字になっていて、木が一本立っている様子を感じにしたのが「木」という漢字になります。
他にもたくさんの漢字が「象形文字」として誕生しています。
「甲骨文字」とは?
「甲骨文字」という言葉には、どのような意味があるでしょうか。
「甲骨文字」は「こうこつもじ」と読みます。
「甲骨文字」は「中国の殷の時代の遺跡から出土する、古代文字」という意味があります。
古代中国では、亀の甲羅や、牛の肩甲骨の上に、文字を刻み付け、記録していました。
この亀の甲羅や牛の肩甲骨の上に書かれていた文字を、「甲骨文字」と言います。
現在確認されている「漢字」の最古の物と考えられていて、2017年にはユネスコの「世界の記憶」にも登録されています。
絵文字タイプの漢字ですが、すでに現在の漢字のように抽象性が高くなっているという特徴があります。
「甲骨文字」は占いをするときに使われることが多かったため、発掘された「甲骨文字」は、占いに関する内容が書かれているといます。
「甲骨文字」は19世紀の清の時代に、河南省安陽市で大量に出土したことがきっかけで、盛んに研究されるようになりました。
「象形文字」と「甲骨文字」の違い
「象形文字」と「甲骨文字」の違いを、分かりやすく解説します。
「象形文字」は「物の形をかたどって描かれた文字からできた、文字体系」という意味があります。
漢字のなりたちには「象形」、「指事」、「会意」、「形声」の4つがあり、その一つになります。
一方で「甲骨文字」は、殷時代の亀の甲羅や牛の肩甲骨に書かれていた文字のことを言います。
「甲骨文字」の中に、「象形文字」も含まれていますが、「会意」などの文字も含まれています。
このように、「象形文字」は漢字の造り方の一つで、「甲骨文字」は発掘された文字の一つという違いがあります。
「甲骨文字」に「象形文字」が含まれるため、両者が混同されやすいですが、先述した通り、「甲骨文字」には、「象形文字」以外の漢字も含まれているため、同じものではありません。
まとめ
「象形文字」と「甲骨文字」の違いについて見てきました。
2つの言葉には、大きな意味の違いがありました。
違いを知り、「象形文字」と「甲骨文字」をごっちゃにしないようにしてみましょう。