この記事では、「磨く」と「研く」の違いを分かりやすく説明していきます。
「磨く」とは?
「磨く」の主な意味は4つあります。
1つめは、物の表面をこすって滑らかにするです。
レンズに凹凸があって、触るとざらざらしている状態です。
これを目の細かいものでこすると、表面がつるつると滑らかな状態になります。
このように、表面をこすって滑らかにすることを意味します。
2つめは、こすって汚れを取ったり、表面を光った状態にしたりすることです。
毎日食事をしていると歯には汚れが付着します。
この汚れは歯をブラッシングすることで取ることができます。
そのことを「歯を磨く」といいます。
足跡や手垢などがついたフローリングの床を水拭きすると、つやが生まれた状態になります。
これを「床を磨く」といいます。
3つめは、細かいところにまで気をつけて手入れをして美しくするです。
肌の状態に気を遣っている人は、化粧水や美容液などを使って毎日丁寧に肌の手入れをしていることでしょう。
これは美しくなるためにしているはずです。
このことを「肌を磨く」といいます。
4つめは、技術や知識を高めることです。
ある料理人は、今よりももっと料理の腕を高めたくて修業をしました。
これを「腕を磨く」といいます。
「磨く」の使い方
表面をこすって汚れを取ったり、滑らかにしたり、つやのある状態にすることや、技術、知識、美しさなどをさらに高いものにすることを指して使用します。
「研く」とは?
「研く」の主な意味は4つあります。
1つめは、物の表面をこすって滑らかな状態にするです。
木材の表面は、切ったままだとザラザラしています。
これを目の細かいものなどでこすると、つるつると滑らかな状態になります。
2つめは、こすって汚れを取ったり、光ったりしている状態にすることです。
汚れが付着して曇った窓ガラスを、雑巾などでこするとつやが生まれます。
これを「窓を研く」といいます。
3つめは、細かいところに気をつけて手入れをして美しくするです。
4つめは、知識や技術を高めるです。
たどたどしい英語の話し方だったのですが、練習をしたことで滑らかに会話をすることができるようになりました。
これは「英語力を研く」といいます。
「研く」の使い方
表面をこすって汚れを取ったり、滑らかにしたり、つやを出したりすることや、知識、技術、美しさなどを高めることを指して使用します。
「磨く」と「研く」の違い
どちらの言葉も意味は同じです。
「磨く」は常用漢字表にのっているもの、「研く」は常用漢字表にはあるけれど、音訓表にはないものです。
「磨く」の例文
・『腕を磨く』
・『表現力を磨く』
・『銀器を磨く』
・『自分を磨く』
「研く」の例文
・『陶芸の腕を研く』
・『テーブルの上を研く』
・『サンドペーパーを使って研く』
・『もっと研く』
まとめ
2つの言葉の意味は同じです。
違いは使っている漢字で、一方は常用漢字表にあるもの、もう一方は常用漢字表にあるけれど音訓表にないものです。