この記事では、「有る」と「在る」の違いを分かりやすく説明していきます。
「有る」とは?
「有る」は、所有することを意味する言葉です。
所有する、つまり、持つ、存在する、備わる、含まれる、といったような言葉と同じ意味を持つ言葉となります。
そこに存在するものを意味する言葉となり、これら以外にも、設置や備え付け、居る、用意、準備、などといった言葉と同じ意味を持ちます。
また、対義語は、「無い」です。
「有る」の使い方
基本的に何が「有る」のかといった使い方となります。
所有するといった意味では、「お金が有る」や「実力が有る」。
備わるといった意味では、「教養が有る」、「実力が有る」、「品格が有る」などとなります。
「在る」とは?
「在る」は、存在することを意味する言葉です。
存在する、つまり、その環境や場所、地位などにおいて、その場所に存在することが「在る」となります。
その場所に位置している、特定の場所に身を置く、この世に生きている、存在している、といった意味が「在る」です。
「在る」の場合、居るや置いてある、などといった言葉と同じ意味を持ちます。
また、この場合の対義語も「無い」です。
「在る」の使い方
「在る」の使い方は、主に存在するといった言葉と同じ意味として用いられます。
例えば、「大阪に在る」や「田舎に在る」、「責任が在る」、「言論の自由が在る」、「要職に在る」、「目の前に在る」などです。
「有る」と「在る」の違い
「有る」と「在る」の違いは、言葉を置き換えるとわかりやすくなります。
「有る」は所有することを意味し、「在る」は存在することを意味します。
つまり、「有る」は、権利や資格、財産、品格などを所有している際に用いられる言葉で、「在る」は、その場所や環境、地位などにおいて、存在する際に用いられる言葉となります。
このような意味の違いにおいて、「有る」と「在る」は使い分ける言葉となります。
「有る」の例文
・『資産が有る私のもとには、お金目当ての人ばかり近寄ってきて困ります。』
・『私は、大きな庭の有る家に住むことが夢でした。』
・『子供に聞くと「宿題は無い」と言っていたのに、実際には宿題が有ると知り、きつく叱りました。』
・『私は、この情緒有る街並みに惚れ込み、この地に引っ越してきました。』
「在る」の例文
・『私はまず、自分の夢を叶えるために目の前に在る困難から立ち向かう必要があります。』
・『私は自分の故郷に在る素晴らしい山と海の景色が自慢です。』
・『学校で言論の自由の在り方について、みんなで討論しました。』
・『彼の在りし日の面影を思い出し、涙が止まりませんでした。』
まとめ
一般的には、平仮名で「ある」と書いて済ませてしまう言葉ですが、意味に応じた漢字が存在します。
そのため、漢字で「ある」と書く場合は、それぞれの意味を踏まえ「有る」と「在る」を使い分けなければなりません。