この記事では、「配分」と「分配」の違いを分かりやすく説明していきます。
「配分」とは?
割合を考えて配ることです。
割合とは、全体に対しての部分、他のものの数量に対する別のものの数量の比率のことです。
それを考えて配ることを「配分」といいます。
何も考えずに適当に配ることではないのです。
給食でスープを配るときのことで考えてみます。
給食係が大きな容器から各生徒にスープを配ります。
もし、何も考えずに最初に受け取る生徒に多くを与えてしまうと、後に与える生徒がもらえる量が少なくなってしまいます。
これは、各自に均等にわたるように割合を考えて配っているとはいえません。
スープの量は決まっています。
どの生徒にも平等に与えるために、1人あたりこのくらいだろうと考えてくばりました。
これは「配分を考えている」といえます。
割合が等しくないこともこの言葉は指しています。
時間の使い方で説明をします。
今やらなければならないことは、風呂掃除、玄関掃除、換気扇掃除です。
それぞれかかる時間が異なります。
風呂と玄関の掃除はすぐに終わり、換気扇の掃除には時間がかかります。
使える時間は1時間30分です。
風呂掃除と玄関掃除にそれぞれ15分ずつ使い、換気扇掃除に1時間使うことにしました。
これは時間について割合を考えて使っていると言えます。
これを「時間配分」といいます。
「配分」の使い方
割合を考えて配るという意味で使用をします。
その割合が均等でない場合も使うことが可能です。
割合がどの程度かという意味で使うのではなく、割合を考えてという意味で使用をします。
「分配」とは?
全体を分けて配ることです。
この言葉には、割合を考えてという意味は含まれていません。
分けて配ることを指す言葉です。
遺産が入ってきました。
2人の兄弟でこれをわけます。
遺産というものを2人に分けて配っており、これを「遺産を分配する」といいます。
今度は体の中に吸収される栄養素について考えてみます。
腸から吸収された栄養素は、体の各部に配られていきます。
吸収された栄養素という全体が、いくつかに分けられて各部位に配られるのです。
これを「栄養素を分配する」といいます。
「分配」の使い方
分けて配ることを指して使用します。
ある人にすべて与えてしまうことには使用しません。
「配分」と「分配」の違い
「配る」という意味が似ている2つの言葉ですが、意味合いが異なります。
前者は割合を考えて配ることです。
適当に分けて配ることではありません。
後者は全体を分けて配ることです。
割合を考えているかは意味に含まれていません。
「配分」の例文
・『時間配分を考える』
・『料理を配分する』
・『平等に配分する』
・『予算配分』
「分配」の例文
・『利益を分配する』
・『均等に分配する』
・『水の分配』
・『所得に応じて分配する』
まとめ
2つの言葉は配るという意味が似ていますが、ニュアンスが異なります。