例えば、パラリンピックで、視覚に障害を持つ参加者がマラソンなどの競技に出場する場合には、危険防止のために伴走者と伴に走ることが許されています。
また、公道を走る通常の長距離走でも、白バイ警官が先頭を走ることもあります。
このような時に難しいのはスピードです。
出場者は状況によってペースを変えるので、それに伴って伴走者もスピードを変える必要があります。
また、微妙に速くても、遅くても走者のペースを乱す結果になってしまうこともあるからです。
さて、ここで使用した「伴に」とはどういう意味でしょうか。
また、「共に」との違いはどこにあるのでしょうか。
この記事では、「伴に」と「共に」の違いを分かりやすく説明していきます。
「伴に」とは?
「供に」とは、「一緒に」という意味を持つ言葉ですが、「伴」には、「つき従える」とか、「伴う」という意味があるため、「自分に従ってついてきてくれている」という印象を与える言葉です。
一般的にはこの文字を「ともに」という音に当てはめることは日常的な文章においては、ほとんどありません。
しかし、間違った表現であるとは言えません。
英では、「follow」が近いでしょう。
「共に」とは?
「共に」とは、「一緒に」という意味で、様々なシチュエーションで使用できる言葉です。
相手は人間だけではなく、物や実体を持たない概念であっても問題ありません。
さらに、「同じである」ことを表す場合もあります。
英語では「together」あるいは「too」で良いでしょう。
「伴に」と「共に」の違い
「伴に」と「共に」の違いを、分かりやすく解説します。
この2つの言葉は「ともに」と読み、「一緒に」という意味を持つことにおいては同じですし、ほとんどの場合は、置き換えても意味が変わらないものです。
ただ、一般的な意味で使われ、使用される頻度も圧倒的に多い、「共に」に対して、「伴に」に関しては、「つき従えている」というニュアンスが出てくるところが大きな違いと言えます。
しかし、ここでの結論としては、意味は変わらないが、意識的に細かいニュアンスを含める場合以外は「伴に」を、それ以外には「共に」で間違いないということになります。
「伴に」の例文
「伴に」の例文は以下のようになります。
・『伴に生きてゆきたいと思える大切なひとができました』
・『長距離走において伴に走っている人のペースは自分にも影響します』
「共に」の例文
「共に」の例文は以下のようになります。
・『共に世界の頂点を目指そうではないですか』
・『ご飯と味噌汁をお好み焼きと共に提供するのがお好み焼き定食です』
まとめ
この記事では、「伴に」と「共に」の違いを、解説してきました。
序文では、長距離走などにおける伴走者の重要性と、難しさに関して述べましたが、「伴」という文字を使用する言葉には重要なものがたくさんあります。
例えば、「伴侶」ですが、これは配偶者などを表し、人生を「伴に」生きてゆく大切な人です。
また、「劇伴」とはテレビや映画などの中で使用される音楽のことですが、これがなければ始まらないし、役者の演技や特撮などに匹敵するくらいの重要な要素になります。
つまり、世の中で「伴」のつく言葉を大切にしなければならないということです。