この記事では、「与件」と「要件」の違いを分かりやすく説明していきます。
似ている言葉を、今すぐ区別していきましょう。
「与件」とは?
与件(よけん)とは、与えられた課題のこと。
おもに物事を考えていく際の、最初の地点をあらわします。
ある結論を導いたときに、スタートポイントとなるものが与件です。
与件には「与える」という漢字がふくまれています。
また「与」には「関係する」という意味があります。
そのため何らかの関わりがあるもの、直接または間接的につながっているものが「与件」となります。
広告業界などビジネスの現場で与件というと、必須ポイントや最低条件をあらわします。
そしてクライアントから提示された条件を、分かりやすくまとめた図を与件整理といいます。
仕事や研究をおこなうにあたり、必ずおさえておかなければならない点が与件です。
「要件」とは?
要件(ようけん)とは、とても重要な条件のこと。
絶対に解決しておきたい点です。
また資格などを取るにあたり、持っておくべき必須条件もあらわしています。
何かを済ませるにあたり、満たさなければならないものが要件です。
要件には「要」という漢字が含まれています。
「要」には「物事の中心・もっとも大切な部分」という訳があります。
そのため絶対に通過しなければならない点、最重要項目を要件といいます。
スルーしてはいけないもの、通らなくてはいけない関門のことです。
ちなみに同じ「ようけん」と読める言葉に「用件」もあります。
こちらの用件は、用事のこと。
やるべき作業をあらわします。
書き間違えやすいので、注意しておきましょう。
「与件」と「要件」の違い
「与件」と「要件」の違いを、分かりやすく解説します。
似ている言葉の差を、正しくおさえておきましょう。
・プレゼンや広告では「与件」
「与件」と「要件」は読み方も似ているので、間違えやすいです。
整理すると与件とは、仕事や研究の出発点となるもの。
ビジネスの現場では、クライアントから提示された条件をあらわします。
たとえば予算、納期、ターゲット層や、目的などがこれにあたります。
またこうした条件を、分かりやすく図にしたものを与件整理といいます。
要件は最重要項目や、必須条件をあらわすもの。
またシステム開発の現場では、こなさなくてはいけないプロセスを「システム要件」と呼んでいます。
システム要件とは、システムの構成や機能について業務内容を割り振ったものです。
システム開発が滞りなく進むように、文書化したものになります。
まとめ
「与件」と「要件」の違いを分かりやすくお伝えしました。
与件とは仕事をおこなうときの、クリアしなければいけない点のこと。
出発地点となるものです。
おもに広告業界で用いられています。
そして要件とは、とても大切な点のこと。
物事の中心となっている事項です。
システム開発の現場では、業務の内容を詳細にあらわすときに用いています。
違いを知って、仕事に活かしていきましょう。