「モンティ・ホール問題」とは確率を感覚的に捉えるのが間違っているという例として挙げられるものです。
問題としては簡単で、3つの箱の1つに当たりが入っている時に回答者にどれかの箱を選んでもらいます。
その後で司会者が残りの箱のどちらかを開けて当たりでないことを示し、選択を変更して良いと言います。
この時最初に選んだ箱ともう一つの箱のどちらが当たりの確率が高いかというものです。
感覚的には2つの箱のどちらかが当たりということは、どちらの箱も1/2のような気がしますが実は最初に選んだ方が1/3でもう一つが2/3なので、変更する確率の方が高いのです。
これは2回目の選択が独立試行ではないことが理由です。
さて、ここで出てきた「独立試行」とはどういう意味でしょうか。
「反復試行」とどう違うのでしょうか。
この記事では、「反復試行」と「独立試行」の違いを分かりやすく説明していきます。
「反復試行」とは?
「反復試行」とは、一般的には高等学校の数学の確率論において学習するもので、「同じことを何度も繰り返すことによって結果が理論的な確率に近づいて行くこと」を意味しています。
例えば、正確に作られたサイコロを振って6が出る確率は1/6です。
これを証明するために何度のサイコロを振ってみると、最初は出る目に偏りがありますが、何度も繰り返して行くうちにほとんど同じ回数になって行きます。
英語では、「repeated trial」です。
「独立試行」とは?
「独立試行」とは、やはり高等学校で学習する確率論で出てくる言葉で、「何度やり直してもその試行が次の試行に影響を与えない」ことを表しています。
前述のサイコロのケースも「独立試行」で、サイコロをふる行為は他に影響しません。
例えば、袋の中に1から6までの数字が書いてある6個のボールが入っていて、一つずつ取り出して行くという行為は取り出した段階で残りのボールの構成が変化するので、「独立試行」ではありません。
英語では、「independent trial」です。
「反復試行」と「独立試行」の違い
「反復試行」と「独立試行」の違いを、分かりやすく解説します。
この2つの言葉は、数学の確率論に関連する言葉ですが、それぞれの意味は全く違います。
その違いは、2つの関係を簡単に説明することによって明確になります。
つまり、「反復試行」というのは「独立試行」である試行を何度も繰り返すことであるということです。
言い換えると「反復試行」を行うための前提が「独立試行」だとも言えます。
「反復試行」の例文
「反復試行」の例文は以下のようになります。
・『反復試行によって単純な確率が導き出されます』
・『反復試行の回数によって結果は理論値に近づきます』
「独立試行」の例文
「独立試行」の例文は以下のようになります。
・『独立試行であることは反復試行に必須です』
・『独立試行とはその試行が他の状況に影響を与えないということです』
まとめ
この記事では、「反復試行」と「独立試行」の違いを、解説してきました。
序文の問題の一番簡潔な解説です。
箱をABCとし、最初の選択時に当たる確率は当然全て1/3です。
ここでBとCの両方を選ぶという選択肢があるとすると当たる確率は2/3になります。
ここで回答者がAを選び、司会者がBを開けて当たりでないことを示しました。
この段階でCを選ぶことはBの中身を知っていることを含めると最初に提示したBとCの両方を選ぶのと同じになります。
よって確率は2/3になるということなのです。