この記事では、「頒布」と「販売」の違いを分かりやすく説明していきます。
「頒布」とは?
品物や資料などを広い範囲に渡って配ることです。
配るとは、それぞれに行き渡るようにすることです。
料金をもらう、もらわないは意味に含まれていません。
神社の場合、お守りをもらいたいときには料金を支払いますが、「購入」とはいいません。
この場合「授与」「頒布」などといいます。
ある神社では1月の間だけ干支にちなんだお守りを扱うことにしました。
欲しいと希望する人に配っています。
これを「1月の間、お守りを頒布する」といいます。
コミックマーケットでは、いろいろな人に、いろいろな漫画やグッズなどが配られます。
料金を支払うこともあれば、無料でもらえることもあるでしょう。
品物を配る代わりに料金をもらう場合も、料金をもらわない場合も「頒布」といいます。
「頒布」の使い方
品物や資料などを広い範囲に配ることを指して使用する言葉です。
特定の一人に配ることには使用しません。
「販売」とは?
商品と引き換えに代金を受け取ることです。
代金を受け取って商品を渡すことです。
この言葉は、渡すものが商品の場合だけを指しています。
また、無料であげることではなく、品物を渡す代わりに金銭を受け取ります。
プレゼントであげるということではありません。
フリーマーケットのことで考えてみます。
フリーマーケットでは、さまざまな人がいろいろなものを店先に並べています。
自分が使わなくなったものを並べていることが多いのですが、要らないからといってタダであげているのではありません。
欲しい人がいたら、商品を渡す代わりに代金を受け取ります。
これを「販売」といいます。
「○月○日に販売される」といった使い方もされます。
この場合は、○月○日に商品が売りに出されるという意味です。
この日に無料で配りますよということではなく、商品を受け取る人は代金を渡します。
「販売」の使い方
商品を売ることに使う言葉です。
商品以外にはこの言葉は使用しません。
また、無料で与えることにも使用しません。
「頒布」と「販売」の違い
どちらの言葉にも物を渡す意味合いがあるのですが、同じことではありません。
「頒布」は広い範囲に配ることです。
金銭を受け取る場合と、そうでない場合があります。
「販売」は品物を売ることです。
品物を渡して、金銭を受け取ります。
「頒布」の例文
・『日本酒を頒布する』
・『数量限定で頒布する』
・『無断での頒布は禁止しています』
・『今後も頒布する予定です』
「販売」の例文
・『キャラクターグッズの販売が開始される』
・『アンテナショップで販売されている』
・『販売まであと3日』
・『販売を待つ人の長蛇の列』
まとめ
ものを渡すという意味が似ている2つの言葉ですが、一方は配るという意味で、配るときに料金をもらうこともあれば、そうでないこともあり、もう一方は料金をもらいます。