漫画における「ラフ画」と「ネーム」の違いについて、詳しく説明していきます。
「ラフ画」とは?
「ラフ画」とは、実際のペン入れ前に主に鉛筆でざっくりと書いた下描きになるスケッチのことです。
この上からペン入れとなり、後から消しゴムでこのラフを消すという工程で漫画は描かれます。
最近ではデジタルで作画される漫画も増えてきていますが、昔ながらのケント紙に描く手法の場合、いきなりペン入れを行うことはまずなく、必ずこの「ラフ画」から入ると言っていいでしょう。
ただし、ラフとは言ってもその上をなぞるように実際のペン入れが行われるので、キャラクターの区別が付くのはもちろん、その向きや表情までそれなりに描くことがほとんどです。
「ネーム」とは?
「ネーム」は、漫画として描く前に、どのようなストーリーでどういったコマ割にするのかといったことを表す為のものです。
よって、コマ割はした状態になりますが、キャラクターの表情まで付けることは少なく、その向きやどのキャラクターなのかが分かる程度にしか絵は描かずに、ストーリーとなるセリフが重視の内容だと考えていいでしょう。
その為、雪だるまのようなスケッチばかりになり、とても漫画家が描いたものとは思えないものになりますが、連載漫画では毎回編集の担当者に見てもらい、アドバイスや修正点などの指摘を受けた上で実際の作画に入るという流れになります。
あくまで一例になりますが、週刊連載の場合、このネームの作成に2日程度掛かり、修正に1日、その修正稿でOKが出た後に実際の作画に2~3日といったような流れで描かれていることが多いようです。
「ラフ画」と「ネーム」の違い
この2つは、まず「ネーム」を作品自体のストーリー構成として描き、その「ネーム」にOKが出た後に、実際のペン入れの前に「ラフ画」が下書きとして描かれるという関係になります。
よって、全く違うものながら、どちらもケント紙に書かれる漫画では欠かせない存在となっています。
まとめ
「ラフ画」と「ネーム」の違いは、以上の通りです。
尚、「ラフ画」は、漫画以外のラフなスケッチのことにも用いられる言葉です。