何かを作り完成させることに関する表現で迷う代表として挙がるのがこの『出来上がる』と『仕上がる』ではないでしょうか。
この記事では「出来上がる」と「仕上がる」の違いを分かりやすく説明していきます。
「出来上がる」とは
まず、この単語の意味は『物事がすっかりとできる様子』という意味を指す言葉です。
もともとの言葉は『出来る』から来ており、この単語は『いままで存在していなかった物事が作られて存在している』という厳密な内容を表しているものです。
ポイントはここに完成度合いは関係していないというところにあります。
例えば厚焼き玉子を作った場合、これが料理の一品として存在した時に『出来上がった』と表現します。
ほかにも文章を作ったり、図工などで何かを作り上げる時には『出来た』、『出来上がった』と言いますが、ここに完成度合いは関係しません。
つまり、物事を存在させることがメインで、完成度合いや練度は関係は関係していないというのが『出来上がる』という言葉です。
「仕上がる」とは
さて『仕上がる』とはどいう意味でしょうか。
これも『作っていたものが完成する』という表現ですが、もともとの言葉は『仕上げ』や『仕上げる』から来ています。
この意味は『物事を最後の段階までし終えてしっかりと完成させる』というものです。
つまりポイントはただ物事を作り、存在させるだけではなく、しっかりと完成させるというところにあります。
言い換えると主観的、客観的は問わなくとも完成度合いや練度をしっかりと上げることに重点を置いた言葉になっています。
例えば彫刻などを作った後にさらに見栄えをよくする為に磨き上げるなどの工程を加えることがありますが、これを『なめらかに美しく仕上げました』と表現します。
「出来上がる」と「仕上がる」の違い
この二つの違いは『物事の完成度に関わらず、新しく存在させる』か『存在させた後にさらに完成度を上げて完了させる』かで分けることができます。
もう少しサラッとした説明にするとクオリティを重視するかしないかともいえるのではないでしょうか。
例えばこの様な表現があります。
管理職が部下に対して資料作成を命じる時に『この資料を1週間で出来上がるようにしてくれ』というのか『この資料を一週間で仕上げてくれ』だと意味合いが違ってきます。
前者はとりあえず作ってくれに対して後者はある程度の期待値まで練度を上げたものを完成させてくれという意味になります。
別の見方としては『出来上がる』の更に上を目指すのが『仕上がる』という言葉になります。
『出来栄え』という言葉があるようにただ『出来上がる』のではその見栄えは判断できません。
そこに『仕上げ』というものを加えて『出来栄え』は上がるのです。
まとめ
如何でしたでしょうか。
一見同じものを作るという行為を指している言葉に見えますが、そこには『新しく存在させる』のか『ある一定のレベルまで完成度を高めて作る』のかという違いがありました。
神は細部に宿るといいますが、我々自身もただ出来上げるだけでなく仕上げるという部分にもしっかりと心配りをしたいものです。