この記事では、「叙事詩」と「叙情詩」の違いを分かりやすく説明していきます。
「叙事詩」とは?
叙事詩は、じょじしという読み方をすべき言葉です。
漢字で書かれたこの言葉を見れば直ぐに理解出来る事でしょうが、事件や事実をありのまま客観的に述べたり記すといった意味の叙事に、感動や感興をリズム良く言語で記したものといった意味の詩の漢字を組み合わせる事で誕生した言葉となっています。
だからこそ叙事詩は、歴史的な事件や神話等を題材にしつつ長大な韻文として生み出されたものを表すのです。
「叙事詩」の使い方
叙事詩は、主に歴史上の英雄的な人物や重大な事件等をテーマにして書かれた詩を表現する言葉として使用されています。
更に口承文芸として吟遊詩人や語り部等により、民族間で語り継がれていたものが多く存在していたのです。
ホメロスのイリアスや、ダンテの神曲等の作品に対しこの叙事詩という言葉が使用される事が多くなっています。
「叙情詩」とは?
叙情詩とは、じょじょうしという読み方をする言葉です。
文字で記されたこの言葉を目にすれば明らかな事ですが、自分の感情を述べて表現する事を意味する叙情の文字に、うたやリズムのある言語形式で感動等を示したものを意味する詩の文字を加える事で成立した言葉となっています。
そのため叙情詩とは、作者の心情や感情を詩として表現したものを意味する言葉です。
「叙情詩」の使い方
叙情詩は、作者が持つ感情や気持ちを詩的に表現した作品に対して用いられる言葉となっています。
より具体的には作者が持つ喜びや悲しみ、怒り等の心情を詩として言葉に表したものです。
なので叙情詩は作者の思いが強く込められているという特徴を持つ作品が多く、そういった心情や感情が露わになった詩を叙事詩という言葉で表現しています。
「叙事詩」と「叙情詩」の違い
叙事詩と叙情詩の文字を見比べてみると、2文字目に事と情という文字の違いを発見する事が可能です。
ですが後の2文字は同じ、叙と詩という言葉であるため、似た様な印象を受けて混同してしまう人は珍しくありません。
ただし叙事詩は、歴史的な事件や英雄の事跡といった題材を基に、長大な韻文として書かれた詩を表現する言葉となっているのです。
一方の叙情詩は、作者の感情や心情に焦点を当てて書かれた詩の事を意味する言葉となっています。
「叙事詩」の例文
・『ギリシャ古典を代表する叙事詩の作者とされるホメロスは、実は存在していなかったという説もあるのです』
「叙情詩」の例文
・『彼はフランス叙情詩の研究を行っています』
まとめ
2つの言葉は最初と3文字目に同じ、叙と詩という漢字が付く言葉同士です。
ですが2文字目に事と情という違う漢字が使用されているため、示す意味合いにも違いが生じています。
まず叙事詩は、歴史的な重大事件や英雄等に関する事を長大な韻文として書いた詩を表現する言葉として使われているのです。
対する叙情詩は、作者の喜びや怒り、悲しみといった感情や心情等を書いた詩を示す言葉として用いられています。