貸し借りにまつわる言葉には、紛らわしい用語もあります。
この記事では、「使用貸借」と「賃貸借」の違いを分かりやすく説明していきます。
相続に関する用語を、ひとつずつ学んでいきましょう。
「使用貸借」とは?
使用貸借(しようたいしゃく)とは、持ち主から無料で借りる土地や建物のこと。
おもに不動産でつかわれる専門言葉で「無償で貸すこと、無償で借りること」をあらわします。
多くの場合は家賃や地代をはらうことが当たり前なので使用貸借は、一般的な不動産物件では出てこないキーワードです。
「使用貸借」は大家さんが、借り主に対して「この土地や家を、無料で使ってもいいよ」と認めることです。
そのため「使用貸借」は親子や親族、または会社間など、何らかのつながりがあるときに発生します。
「使用貸借」は毎月の賃料などは発生しませんが、場合によっては相続税が発生することもあります。
たとえば父親から土地を無償で借りて、その上に自分の住まいを建てたとき。
この場合は「父の土地」に対する相続税が生まれます。
相続税の申告をし忘れたまま放置しておくと、後になって思わぬ追徴課税が発生することもあります。
思わぬトラブルを防ぐために、親子間の土地の貸し借りにも、注意を払っておきたいものです。
「賃貸借」とは?
賃貸借(ちんたいしゃく)とは、賃貸借契約のこと。
こちらも不動産業界ではよく聞く、とてもメジャーな用語になります。
賃貸契約書を作成して、お互いが納得した上で住まいの貸し借りをおこなう、一般的な賃貸契約になります。
賃貸タイプのマンションやアパートを借りる場合は、賃貸借の契約書にのっとって利用をおこないます。
賃貸借の契約書には、建物の名称や構造、延床面積などがのっています。
また賃料と貸主の名前、解約にまつわる案内文がしめされています。
入居中に室内を汚した場合の負担についても書かれているので、入居前に必ず目を通しておくことがおすすめです。
また「賃貸借」の場合の税負担についても、チェックしておきましょう。
相続税は基本的に「大家さん側」にかかるもの。
そのため借りている住民側には、税の負担はありません。
ただ自分が大家さんになっている場合は、たとえ賃貸物件であっても相続税は発生します。
ただ相続税の税負担は、使用貸借よりも安くすむことが多いです。
「使用貸借」と「賃貸借」の違い
どちらも住まいにまつわる言葉です。
「使用貸借」と「賃貸借」の違いを、分かりやすく解説します。
・無償は「使用貸借」有償は「賃貸借」「使用貸借」と「賃貸借」はどちらも「貸借(たいしゃく)」という言葉が付いているので、間違えやすい用語です。
整理すると、大家さんと借り主の間に家賃が発生するものが「賃貸借」。
そして大家さんと借り主の間に家賃が発生しないものが「使用貸借」です。
賃貸料のあり・なしで、チェックしていきましょう。
まとめ
「使用貸借」と「賃貸借」の違いを分かりやすくお伝えしました。
どちらも住居と土地にまつわる用語です。
「使用貸借」とは親子や親族間で使用している土地のように、賃貸料が発生していない無償の賃貸契約のこと。
そして「賃貸借」は一般的な賃貸物件に発生する、有償の賃貸契約になります。
言葉の奥ゆきを広げて、税と住まいに詳しくなっていきましょう。