新しいということを示す言葉として「さら」というものがあります。
この言葉はとても面白い使われ方をしています。
まず、地域に関係なく「まっさらである」といえば「本当に新しい」という意味で頻繁に使われる言葉ですが、「さらである」という表現は一般的には使われません。
しかし、「全く」という意味で使用される「まっぴらである」に関しては「ひらである」も「平社員」のように使われていて、こちらは両方残っています。
さて、ここで出てきた「さら」ですが、よく使われるのは「さらに」とか「更なる」という言葉です。
これらはどういう意味でしょうか。
さらに、違いはどこにあるのでしょうか。
この記事では、「さらに」と「更なる」の違いを分かりやすく説明していきます。
「さらに」とは?
「さらに」というのは「更に」とも書きますが、「一層」とか「重ねて」という意味の修飾語として使用される言葉です。
これは、「更」という文字が、「更改」、「更新」、「変更」などに使われるように「新しい」ことを表すことから、元々は「もっと新しく」という意味から派生したものだと思われます。
「さらに」の後に続くのは通常、名詞以外の品詞の言葉になります。
英語では「furthermore」とか「again」を使います。
「更なる」とは?
「更なる」とは、「一層」とか「重ねて」という意味の修飾語として使用される言葉です。
意味としては前述の「さらに」と全く同じです。
しかし、「更なる」の後に続くのは通常名刺だけです。
英語では、「further」とか「again」を使います。
「さらに」と「更なる」の違い
「さらに」と「更なる」の違いを、分かりやすく解説します。
この2つの言葉は「重ねて」とか「一層」という意味の言葉であることは同じで、使用されるシチュエーションもニュアンスも同じですが、前述のように、つながる単語の種類によって使い分けられている言葉なのです。
後のほうで示される例文を見ていただければわかるように、「さらに(更に」に関しては後に続くのは動詞、形容詞、助動詞などですが、「更なる」に続くのは名詞だけです。
逆に言えば違いはそこだけになります。
「さらに」の例文
「さらに」の例文は以下のようになります。
・『さらに良いものが作れるように、精進を欠かさないようにしています』
・『ここからさらにずっと先まで赤い鳥居が続いています』
「更なる」の例文
「更なる」の例文は以下のようになります。
・『更なる研鑽を積んで、皆様のご期待に応える結果を出します』
・『ここからずっと先まで更なる数の鳥居が続いています』
まとめ
この記事では、「さらに」と「更なる」の違いを、解説してきました。
序文で述べた「さら」という言葉ですが、実は、西日本を中心にかなり広いエリアでは「さらである」というのは「新品である」という意味で日常的に使われています。
つまり、標準語では使われなくなってしまった「真」が付かない方の言葉が地方によっては残っているということです。
「真」が付かない元の言葉が使われない例は「真面目」など他にも結構あります。