「ひたむき」と「ひたすら」は類似した意味を持つ言葉です。
「ひたむき」という表現は「仕事にひたむきに取り組んでいる姿勢」といった文章で使い、「ひたすら」という表現は「お客様にひたすら謝罪しました」といった文章で使われますが、「ひたむき」と「ひたすら」の意味の違いはどこにあるのでしょうか?
「ひたむき」の意味や使い方
「ひたむき(直向き)」という表現は、「一つの物事・仕事だけに、脇目も振らずに心を向けているさま」を意味しています。
「ひたむき」というのは、「困難に負けず忍耐強い態度で、一途に物事に打ち込んでいるさま」を意味している表現なのです。
「ひたむき」の表現の使い方は、「我慢強い姿勢で(一生懸命な姿で)、一つの物事だけに心を向けて打ち込んでいる場合」に使うという使い方になります。
例えば、「ひたむきに、画家として絵画を描き続けてきました」といった文章で使われます。
「ひたすら」の意味や使い方
「ひたすら(只管)」という表現は、「専ら(もっぱら)、一つの物事だけに取り組んでいるさま」や「一筋に集中しているさま・一途に行っていること」を意味しています。
「ひたすら」の表現の使い方は、「一つの物事・活動だけに、集中して一途に取り組んでいる場合」に使うという使い方になります。
例えば、「ひたすら、毎日の厳しい修行に明け暮れていました」などの文章で使用することができます。
「ひたむき」と「ひたすら」の違い
「ひたむき」という表現は、「一つの物事・仕事だけに、一生懸命に(忍耐強い姿勢で)心を込めて取り組んでいるさま」を意味しています。
それに対して、「ひたすら」という表現は「他のことはせずに、一つの物事・仕事だけに一途に取り組んでいるさま」を意味しているという違いがあります。
「ひたむき」という表現は「一生懸命に・心を込めて・我慢強い態度で」という「内面的な心情」に意味の重点がありますが、「ひたすら」という表現は「他のことはせず、もっぱら一つの物事だけを繰り返す」という「外面的な行為・集中した状態」に意味の重点があるという違いがあるのです。
「ひたむき」を使った例文と意味を解釈
「ひたむきな努力が実を結んで、見事、第一志望の大学に合格することができました」
この「ひたむき」を使った例文は、「ひたむき」という表現を、「脇目も振らない一生懸命な努力が実を結んで」という意味を持つ文脈で使用しています。
「ひたすら」を使った例文と意味を解釈
「ハードワークの疲労が溜まっていたのか、連休中はひたすら眠り続けていました」
この「ひたすら」を使った例文は、「ひたすら」という表現を、「連休中は他のことは何もできずに、もっぱら眠り続けていた」という意味合いで使っています。
まとめ
「ひたむき」と「ひたすら」の意味の違いについて説明してきましたが、「ひたむき」の表現は「一生懸命に我慢強く一つの物事を行うという内面的な心情」に意味の重点があります。
それに対して、「ひたすら」の表現は「もっぱらその一つの物事だけを、繰り返し集中して行うという外面的な行為・状態」に意味の重点があります。
「ひたむき」と「ひたすら」の意味の違いを正しく理解して、内容や文脈・状況に応じて適切に使い分けていきましょう。