近所を散歩していると、おそらく人が住まなくなった古い一軒家があっという間に解体されて、更地になった土地を見つけることがあります。
このような建築において、工程はあっという間に進むもので、次に見た時には地面の上全体にコンクリートの板ができている状態、そして次に見た時にはその上に住宅の間取りに沿って立ち上げられたコンクリートができています。
実は、このような工事が住宅建築の基礎工事で、長く住むことを考えると最も重要な工程のひとつになります。
この工程の中で、最初にできた大きな板状のコンクリートをスラブと言い、それを基本に住宅の下部全体に鉄筋コンクリートを敷く方式をベタ基礎と言います。
それではこの「ベタ基礎」や「スラブ基礎」とはどういう意味でしょうか。
また、2つの違いはどこにあるのでしょうか。
この記事では、「スラブ基礎」と「ベタ基礎」の違いを分かりやすく説明していきます。
「スラブ基礎」とは?
「スラブ基礎」とは、住宅の建築工事における基礎工事の中で床部分を支える「スラブ」のコンクリートを作ることを言います。
作られたものは「基礎スラブ」と呼ばれます。
「ベタ基礎」とは?
「ベタ基礎」とは、住宅の基礎工事の工法の一つで、住宅の面積全てをカバーする鉄筋コンクリートによって基礎を作成するものです。
「スラブ基礎」と「ベタ基礎」の違い
「スラブ基礎」と「ベタ基礎」の違いを、分かりやすく解説します。
これらの言葉は、主に、住宅の建築における基礎工事に関連するものですが、そもそも違う意味を持つ言葉です。
この2つの関係を明らかにするために「ベタ基礎」の仕組みを説明します。
「ベタ基礎」は一番下の前面に「スラブ」としての鉄筋コンクリートを流し込んで整形し、その上に間取りに合わせた枠を設置して立ち上がりのコンクリートを作って行く工程を実施します。
すなわち、「スラブ基礎(あるいは基礎スラブ)」は「ベタ基礎」の下側の部分を言う言葉なのです。
「スラブ基礎」の例文
「スラブ基礎」の例文は以下のようになります。
・『スラブ基礎は基礎工事の最も初期に行われるものです』
・『スラブ基礎の上に立ち上がり部が作られて行きます』
「ベタ基礎」の例文
「ベタ基礎」の例文は以下のようになります。
・『ベタ基礎は最近最もポピュラーな基礎工事の方法です』
・『ベタ基礎は住宅の下部全てを支えるので、施工のためには多くの部材が必要になります』
まとめ
この記事では、「スラブ基礎」と「ベタ基礎」の違いを、解説してきました。
ここまで説明してきたように、現在の一般的な住宅の基礎工事は「ベタ基礎」が採用されていることが多いと言えます。
一時はコストパフォーマンスに優れる「布基礎」と呼ばれる方式を採用する場合もたくさんありましたが、特に阪神淡路大震災の後になって、コストよりも耐震性などを重要視する声が大きくなり、それが「ベタ基礎」の増加につながりました。
最近ではそこにさらに追加で耐震部材を追加することによって災害に強い住宅が作られることが多くなっています。