この記事では、宝塚音楽学校の「予科生」【よかせい】と「本科生」【ほんかせい】の意味や例文、違いを分かりやすく説明していきます。
「予科生」とは?
7月、12月、3月は試験に挑むのが宝塚音楽学校に通う「予科生」の1年の流れです。
上級生に対して絶対敬語で話すことは必須であり、表情や礼儀もこのようにしなければならないという暗黙のルールがあります。
電車に同乗することになったときは黙礼し、廊下での私語は禁止されており、一列になって歩きます。
廊下を曲がるときは指先を揃えて直角に乱れることなく曲がり、歯を見せないようにして笑い、「本科生」を見下すような態度や言葉も禁止されています。
掃除は基本であり、朝は4時に起きてゴミが落ちていれば見つけた人が拾うのは当たり前ですし、汚れていれば担当する場所を念入りに掃除します。
「本科生」とは?
6月に中間試験を受ける「本科生」は、12月に期末試験を受けるのが一般的です。
秋には音楽会を、2月には文化祭に参加して、学校を盛り上げるのも大事な役目です。
この文化祭の配役は卒業試験の結果によって決まり、合格点をとられなければ卒業すらできないので、生徒はかなり勉強に励みます。
まだ無知な「予科生」に対して学校の規則を教えるだけではなく、常に気を使ってあげることも必要です。
5月にはすみれ募金に参加し、修学旅行は毎年決まって北海道へ行き、グルメを堪能します。
「予科生」と「本科生」の違い
「予科生」と「本科生」の違いを、分かりやすく解説します。
入学して1年目の生徒を「予科生」と言い、厳しい規約を守り、「本科生」の言うことを素直に受け入れます。
学校やプライベートでも化粧は駄目ですし、髪型は真面目に見えるよう三つ編みか眉毛が隠れない長さにします。
私服は白やグレー、黒ではないとだめで、靴は黒のローファーで靴下は白しかだめというほど徹底した決まりに沿って学校生活を送ります。
一方の「本科生」は髪型も比較的自由ですし、髪飾りも付けていいほど規則も緩みます。
靴は黒のヒールにストッキングも可能となり、学校にふさわしいものであれば私服も自由になります。
「予科生」の例文
・『たった1人の間違いであっても連帯責任とらせるのが予科生に与えられた規則だ』
・『予科生は本科生より指導してもらいながらタカラジェンヌになるために必要な心構えを身に付ける』
厳しい統制を取り入れる宝塚音楽学校では、たった1人の失敗をクラスの生徒にとらせるのが決まりであり、連帯責任を取らせます。
これが後に舞台俳優となったときにも役立ち、協力しながら一つの舞台を作り上げていくためには必要です。
「本科生」から忍耐力や身のこなしを教わるだけではなく、真の舞台俳優になるための土台作りも学びます。
「本科生」の例文
・『本科生になると宝塚国際合唱コンクールのゲストとして出演できる』
・『本科生は8月に自分の芸名となる名前を提出して、1月には宝塚歌劇団拝賀式に参加する』
本格的にコンクールへ参加したり、劇団の拝賀式に参加できるなどいろいろな活動ができるようになる「本科生」は芸名を提出するとき胸を高鳴らせ、未来の第一歩を踏み出した気持ちになるのです。
まとめ
どちらも未来のタカラジェンヌに向けて規則を身につけて、勉学に勤しむ宝塚音楽学校の大事な生徒であり、「予科生」は入学してから1年目の若き生徒、「本科生」は進級して2年目で本格的に舞台の練習を目指すようになるわけです。