この記事では、「引き出す」と「取り出す」の違いを分かりやすく説明していきます。
「引き出す」とは?
「引き出す」には5つの意味があります。
1つめは、引っ張って外に出すです。
引っ張るとは、自分の方に強く引き付ける動作をいいます。
たとえば、箪笥の引き出しのとってを自分の方にくるように力を入れる動作です。
そして、中から何かを出すことを「引き出す」といいます。
押入れに布団が入っています。
この布団を自分の方に引く力を加えると、布団が押入れの外に出てきます。
これを「布団を引き出す」といいます。
2つめは、誘ったり、呼んだりして来させるです。
ある人に講演会を聞いて欲しいと思っていたとします。
この講演会にその人を誘いました。
このような、誘い出すこと、呼び出すことを指します。
3つめは、隠れているものを働きかけによって外に出すこと、表すようにすることです。
今、ある人の相談にのっているとします。
相談者に質問をしましたが、相手は言葉を出すことができずにいます。
そこで、別の角度から質問をしてみました。
これによって、相手は答えを出すことができました。
これは「答えを引き出す」のように表現します。
4つめは、ある目的のための金銭などを他人に出させるです。
「親から外食代を引き出す」のような使い方をします。
外食という目的のための金銭を、自分以外の人に出させています。
5つめは金融機関などに預けていた金銭を出すです。
「預金を引き出す」のような使い方をします。
「引き出す」の使い方
引っ張って外に出す、表れていなかったものを働きかけによって外に出すといった意味で使用をします。
押入れから布団を出すような物質についても、人の能力や言葉など物質以外のものを表すようにすることにも使うことができます。
「取り出す」とは?
「取り出す」には2つの意味があります。
ひとつは、中から取って外に出すです。
カバンの中にはノートが入っています。
中のノートに手を伸ばし、それをカバンの外に出すことを「カバンからノートを取り出す」といいます。
もう一つの意味は、複数の中から選び出すです。
テーブルの上には、イチゴ、オレンジ、グレープ、ミルクなど、さまざまな味の飴がいくつも広げてあります。
その中から食べたいものを選んで手に取りました。
こういった多くの中から選んで取ることを指します。
「取り出す」の使い方
中から取って外に出すという意味で使用をします。
物質をあるものの中から取って出すことにも、多くの俳句の中から優れたものを選び出すことのように物質以外のことにも使用できます。
「引き出す」と「取り出す」の違い
「出す」という点が似ていますが、どのような出し方なのかが違います。
「引き出す」は引っ張って外に出すことです。
「取り出す」は中から出すことです。
引っ張るという意味は含まれていません。
「引き出す」の例文
・『押入れの奥から引き出す』
「取り出す」の例文
・『袋から飴を取り出す』
まとめ
2つの言葉は「出す」という意味が似ていますが、出し方に違いがあります。