同じ「かま」と読む「釜」と「窯」には、どのような違いがあるのか。
この記事では、「釜」と「窯」の違いを分かりやすく説明していきます。
「釜」とは?
「釜」は、台所では欠かせない道具のひとつです。
ご飯を炊いたり、お湯を沸かしたりするための器具で、主に金属製か土製です。
鍋と比べると「釜」の方が深く、腰につばがあるところが特徴です。
こういった調理器具としての「釜」のほか、茶道でお湯を沸かす道具も「釜」。
火山の噴火口も「釜」と言います。
火の力を用いて、「釜」の中のものを加熱することができ、一般的には炊飯用として昔から「釜」は用いられてきました。
「釜」の使い方
「釜」には様々な種類があり、「炊飯釜」や「茶釜」、「羽釜」、「茹で釜」、「釜めし」、「電気釜」などといった言葉があります。
「窯」とは?
「窯」は大きな装置と言え、陶磁器やガラス、炭などを作る際にそれらの素材を高温で焼いたり溶かしたりするためのものとなります。
一般的な家庭にある道具ではなく、これらを専門とする場所にあるもので、「窯」の中は非常に高温になるため、熱に強い素材を使用し頑丈に作られています。
何かを作る際、高温状態を維持する必要がある場合に欠かすことができない装置が「窯」となります。
「窯」の使い方
「窯」には様々な種類があり、「ピザ窯」や「電気窯」、「素焼き窯」、「本焼き窯」、「穴窯」、「円窯」、「直炎窯」などといった言葉があります。
「釜」と「窯」の違い
同じ「かま」と読む言葉でも、漢字によって、構造や役割が異なります。
「釜」の素材は基本、金属です。
それに対し、「窯」は土や耐火れんが。
大きさを比較した際も、「釜」は一般家庭でも利用されることから小型なものが多いのに対し、「窯」は大きなものが主流です。
また、加熱方法も大きく異なり、「釜」は「釜」の外で火を焚き加熱する方法に対し、「窯」は、装置の内部で加熱するものとなります。
そして、これらを用いて作るものを比較すると、「釜」は、ご飯を炊いたり、お湯を沸かす際に用いられ、「窯」は、陶器などを焼く際やガラスなどを溶かす際、ピザやナンを焼く際などに用いられるといった違いがあります。
「釜」の例文
・『私は、昔ながらのお釜で炊いたご飯が大好きです』
・『新しい炊飯器を選ぶ際、釜にこだわり選ぶことにしました』
・『母の趣味が茶道ということもあり、我が家には昔から茶釜がありました』
・『釜めし専門店で、色々な種類の釜めしを堪能しました』
「窯」の例文
・『やはり、ピザ窯で焼いたピザは本格的で美味しいですね』
・『ナンを焼くための窯、タンドール窯というものを初めて見ました』
・『ガラス工房で、ガラス作りを体験した際、あまりの窯の熱さに驚きました』
・『完成した作品を先ほど、焼き窯に入れてきました』
まとめ
以上が「釜」と「窯」の違いです。
漢字によって、異なった器具を示すことになるため、注意が必要です。