分類で分けた場合、同じ分類となる「美術」と「芸術」にも違いがあります。
この記事では、「美術」と「芸術」の違いを分かりやすく説明していきます。
「美術」とは?
「美術」という言葉には、視覚的、空間的な美を表現する造形芸術といった意味があります。
主に「美術」がさすものは、絵画をはじめ、彫刻や建築、工芸、浮世絵、折り紙、庭園、生け花、陶芸、書道、写真となり、古くは、文学や音楽なども「美術」と言われていました。
一般的に「美術」は以上のように視覚によってとらえることができるものを示します。
「美術」は英語で言えば「art」や「fine art(s)」です。
「美術」の使い方
「美術」を用いた言葉には、「近代美術」や「工業美術」、「美術家」、「美術界」、「美術館」、「美術鑑賞」などがあります。
「芸術」とは?
「芸術」という言葉には、特定の材料や様式などにより、美を追求する、表現するといった人間活動といった意味があります。
本来は、このような意味を持つ言葉ですが、実際、「芸術」は、このように生み出された作品を意味する言葉となります。
「芸術」は、文芸、美術、音楽、総合芸術、デザインの合計5つの種類に分けられ、それらすべてを含め「芸術」と言います。
「芸術」は英語で言えば「art」です。
「芸術」の使い方
「芸術」を用いた言葉には、「芸術作品」や「芸術家」、「芸術写真」、「芸術品」、「芸術大学」などがあります。
「美術」と「芸術」の違い
「美術」と「芸術」に違いはありません。
「美術」は、「芸術」という大きなカテゴリーの中に含まれるものです。
「芸術」は、文芸、音楽、総合芸術、デザイン。
そして、「美術」に分けられるのです。
そのため、「美術」は、「芸術」の一部と言えるのです。
このことから、英語では「美術」も「芸術」も同じ「art」となります。
「美術」の例文
・『初めて母と美術館に行き、様々な作品を生で見たときに感動は今でも忘れません』
・『私は、中学生のころ美術部でした』
・『華道を習うようになって、初めて華道も美術のひとつだと知り驚きました』
・『私は、将来、美術としての認められる書道家になりたいと思っています』
「芸術」の例文
・『私は、芸術大学への進学を希望しています』
・『芸術の秋。これを機に画材道具を買いそろえてみました』
・『父は画家。母は書道家と、私は芸術一家に生まれました』
・『子供の頃から芸術作品に触れることは、とても、大切なことだと思います』
まとめ
以上のように、「芸術」といった大きなカテゴリーに含まれるものが「美術」となり、「美術」自体は、絵画をはじめ、彫刻や建築、工芸、浮世絵、折り紙、庭園、生け花、陶芸などを示す言葉となります。
日本では、「美術」と「芸術」は、それぞれに応じた場面で用いた言葉となり、学校で習うものは「美術」と表現し、大学になれば「芸術大学」と表現されるといったものとなります。